今も色褪せない井上ひさし

 

人気俳優大泉洋主演で話題の「駆込み女と駆出し男」が公開されましたが、この映画は井上ひさしの遺作となった連載小説「東慶寺花だより」が原作になっているんです。

井上ひさしと言えば、小説家、劇作家、放送作家として日本を代表する人です。
今でも井上ひさし作の戯曲は、様々な劇団でも上演されるほど、日本の演劇界に大きな影響を与えた人物なんですよ。

公開された「駆込み女と駆出し男」を観た人も、これから観る人も、井上ひさしという人の世界観を少しのぞいてみませんか?

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こまつ座という劇団の存在が与える影響

こまつ座は1983年に井上ひさし主宰で立ち上げた劇団です。
2010年に井上ひさしが亡くなった後も存続しています。

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こまつ座では井上ひさしの戯曲しか上演していません。
現在の演劇界の中では、そのスタイルを貫いているのは貴重です。
しかし、それが可能なのは、井上ひさしの作品が多いからこそできることなんですね。

こまつ座の作品は主に紀伊国屋サザンシアターで上演されます。
現在は劇団員は約10名ほどなので小劇場の分野でも規模の小さな劇団ですが、作品ごとに客演を招いています。

おすすめ

井上ひさし作の戯曲として外部で何度も上演されている「藪原検校」や1974年の初演以来、劇団☆新感線のいのうえひでのり演出による2002年の日本劇団協議会10周年記念公演、渋谷のシアターコクーンのイベントとして2005年に上演された蜷川幸雄演出の「天保十二年のシェイクスピア」など規模の大きな演劇として上演されることもある作品もあります。

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「藪原検校」は悪人が主人公なのですが、テンポ良く読めて、とても面白いです。

日本人には理解されにくいシェイクスピアの戯曲まで井上ひさしの手にかかるとエンターテイメントになってしまう。
日本の演劇、映画界に与える影響の大きさに今更ながら驚くことが沢山あるんですよ。

「小林一茶」「泣き虫なまいき石川啄木」「頭痛肩こり樋口一葉」 何度も笑えて、偉人のイメージを覆す、井上ひさしの面目躍如の作品群です。

「吉里吉里人」 非常に話題になった、吉里吉里(実在の地名です)が独立宣言するお話です。賞も受賞しています。

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「父と暮らせば」 広島の原爆で死んだ父親の幽霊と暮らす娘の話しですね。映画を見た感じでは笑いは抑えられ、非常に端正に話しが進んでいく、名作です。

「ナイン」 現在、国語の教科書に載っている「握手」が入っている短篇集です。彼の話は誰でも読みやすく、そして人間への洞察が鋭く深い事がわかりますね。

「國語元年」 NHKのドラマになった作品です。今の日本語がどうしてできたかは謎だと聞いています。それを元にして、ある役人が、全国に通じる日本語をつくろうと悪戦苦闘する話で、各地の方言がいろいろ出てきて実に楽しい作品でした。

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「ブンとフン」処女作にして、非常にナンセンスな今も古びない作品です。

「一分ノ一」彼の遺作で、未完成作です。

「一週間」完成されている彼の遺作です。

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2.名言

井上ひさしは「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」や「辞書はよき相談相手であり、友人であり、いろんなことを教えてくれるおじさんなのです。そんな風に辞書と付き合えば、一生の得ですよ」、「一番大事なことは、自分にしか書けないことを、誰にでもわかる文章で書くということ」、「ある選択をするということは、その選択によって生まれるはずのマイナスをすべて背負うぞということ」、「鳥は頭を向けた方に飛んでいくが、方向を決めるのは尾っぽである」など心の深くにすんなり浸透するような多くの名言を残しています。

3.井上ひさしという人

井上ひさしは山形生まれですが、幼少の頃は不幸が続き、一時家族で岩手の一関に移りますが、彼はすぐに仙台の養護施設に預けられてしまいます。

上智大学にせっかく入ったのに、母を助けるために岩手の釜石で働きますが、大学に戻りました。

大学在学中に多くのアルバイトをし、ラジオドラマの懸賞に応募しまくり、NHKから声がかかり、これが「ひょっこりひょうたん島」に繋がったんですね。

そして演劇界へ、小説界へと入っていきます。

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1970年にはムーミンの主題歌「ムーミンのテーマ」で第12回日本レコード大賞童謡賞を受賞し、1972年には、「手鎖心中」で直木賞を受賞しています。


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1979年には、「小林一茶」で第14回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞するなど多くの作品が高い評価を得ています。

彼は遅筆で有名で、役者は短期間でセリフを覚えなければならず、大変だったみたいです。
彼が生まれ故郷に本を寄付して生まれた施設が遅筆堂と名付けられたくらいです。

彼は古本の値段を変える男とも言われ、脚本や本を書くのに、膨大な資料を集め、時系列表をつくっていたらしいです。
本の重みで床が抜けた事もあります。

1日40本は煙草を吸うという愛煙家で「喫煙と肺がんは無関係」という見解を披露していましたが後に自身が肺がんを患い、「やはり肺がんと煙草には因果関係があるんだね」と述べており、肺がんの治療中に他界しています。

「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を創作活動のモットーとしている井上ひさしの作品は誰でも楽しく読むことができ、しかも内容も深いもので、読んで損は無いですよ。
劇を見に行ってもいいですね。

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