知っておきたい境界性人格障害

 

みなさんはご自身のことをどのような性格だと感じておられるでしょうか。人はそれぞれが多様な人格を持ち、それが“個性”と呼ばれています。

しかし中には、周りとあまりにも感性に違いがあるため自他ともに困惑し、社会生活においても自分や周りの人を苦しめてしまうようになる、「境界性人格障害」を抱えているがゆえに、自分の個性に自信を持てない人がいます。

具体的にはどのような症状があり、どうすればうまく接していくことができるのでしょうか。不必要ないさかいを避けるためにも、よく知っておきたいと思います。

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1.境界性人格障害とは

境界性人格障害(ボーダーライン・パーソナリティ・ディスオーダー)とは、医学においてすでに広く認知されている精神疾患です。

神経症に多く見られる「強いイライラ感」が抑えられなくなる症状と、統合失調症などの精神病に見受けられる「物事に対する極端な判断」をしてしまう、という両面があるため、「境界」に位置するという定義づけがなされてきました。

最近では少し変わって、上記の症状をもつ独立した病気として認識されています。今では人口のおよそ2%に見られ、特に若い女性に多いようです。

顕著な傾向

・愛する人や大事な人に見捨てられるという不安を絶えず抱えて、それが異常に抑えがたくて、その結果の感情の発露が周囲に深刻な影響を及ぼしていきます。

・繰り返し起こる、さみしさ、怒り、むなしさ、絶望感、孤立感、自暴自棄の感情のために対人関係の変動が激しく、コミュニケーションが安定しません。気分や感情がめまぐるしく変わるので、周囲の人々がついてこられません。

・感情の制御ができずに、些細なことで癇癪を起こしたり、激しく怒ったりしますし、傷つきやすくなっています。

・自殺のふりや自傷行為を繰り返して、周囲に動揺を与えたり、薬物、アルコール、セックス、万引き、過食、買い物など、自己破壊的な行為に依存しやすくなります。

・本人の自覚の奥には良い自分と悪い自分の認識があり、良い自分だけで生きていこうとする二重人格的な無理が、一時的な記憶喪失症状を起こさせたりして、さらに人格障害を増大しやすくなります。

・自分の悩みを熱心に人に相談して理解を求めますが、そのとき同時に、自分に否定的な人を強烈に批判をして繰り返すので、聞き手にも批判的な感情を起こさせて必然的な争いごとを生じさせます。

・自分が何を求め、何をしたいのかが分からずに、生きることに対して辛さや違和感を持ち、いつも空虚な気持ちを抱いているので、幸せを感じにくい状態になっています。自分で自分が理解できないために、問題となる行為を自分では止めることができません。



どうしてそんな病気にかかってしまうのでしょうか。直接的な原因は解明されていないというのが現状です。しかし、大きく分けて2つの要素が関係していると見られています。

その1つは、遺伝です。神経系の伝達物質であるセロトニンが不足しているために、神経機能の低下が影響していることが考えられます。セロトニンは精神を安定させます。

また、境界性人格障害の人の脳には、他の人より機能が低い、又は機能不全が見られる事が多いそうです。
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もう1つは、幼少期の生活環境です。親子関係が崩れてしまうことがあると、子どもは大きな影響を受けます。

ごく幼いころから、親への「依存」・親からの「自立」を繰り返して成長していくわけですが、そこにあるはずの「安心感」が失われてしまうと、依存と自立をうまく繰り返すことができなくなってしまいます。

幼い時期に見捨てられるのではないかという不安が根強く残ってしまうなら、大人になってから周りとのちょうど良い距離感が分からないという状態を作ってしまうのです。

2.接し方

境界性人格障害をもつ人は、いつも不安や恐怖感を抱いています。そのため、周りの人を振り回したり疲れさせたりすることによって自分から遠ざけようとするのは、本人にとって表現の一手段であって、相手を試しているようなものです。

すぐに本人を変えようとするのではなく、理解し受け入れようとしているところを見せることが大事です。長い目で見て解決の糸口を探していくことが必要となります。

同時に、無茶な要求をすべて受け入れてしまわないようにすることも本人のためと言えます。十分に理由を説明し、“それはできないがあなたのことは大切に思っている”と確実に伝えてあげることができます。

こちらからちょうど良い距離感を保つように心がければ、おのずと本人も安定してくるはずです。

見捨てられ不安①/中島紀子


家庭の中に、あるいは親しくしている人の中に境界性人格障害に悩んでいる人がいると、時にはこちらまで気が滅入ってしまうことがあるかもしれません。ひとりで受け入れることは困難ですから、必要だと感じるなら早めに専門家に相談しましょう。

本人に治したい、という意思さえあれば必ず治るようです。

抗うつ剤や抗不安薬などの薬を用いての治療と、精神科医や臨床心理士によるカウンセリングや行動療法での根気の要る治療の、2つを平行させていくのが一般的です。

境界性人格障害を克服して後に、逆に境界性人格障害の患者の相談に乗る専門家になっている人も多くいるようです

マラソンのように長く感じる治療の先にある感動のゴール地点を思い描きながら、決して気負わず、できることを一緒にしてあげるように、できないことは率直に伝えるようにしましょう。

そして、当人にとっての本当の友人であり続けてあげてください。そうすればきっと、感謝される良い家族、大切な友人になれるはずです。

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