パーキンソン病の今 2015

 

パーキンソン病は、110種類ある“指定難病”のひとつで、進行性の病気です。「ヤール重症度Ⅲ度以上」、「生活機能障害度2度以上」の場合“特定疾患認定”の申請を最寄りの保健所に申請できます。

審査依頼が都道府県に受理されれば、『特定疾患医療受給者証』が公布され、医療費の助成を受ける事ができます。

パーキンソン病は現時点では“治る病気”でもなければ“進行を止めることができる病気”でもありません。

この病気の一番厄介なところ(治らない病気だという事はさておき)は、MRI検査や血液検査では、病気を発見できないという事です。診断が下るまで“ドクターショッピング”を繰り返すことになるケースが多いのが現実です。

また、この病気は“神経内科”が主治医となることが多いのですが、個人病院はほとんどありません。かかりつけの病院の医師が運良く「パーキンソン病」を疑ってくれて、総合病院に紹介状を書いてくれれば“不幸中の幸い”です。前置きが長くなりました…本題に入りましょう。

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1.パーキンソン病ってどんな病気?

1817年にこの病気を初めて報告したイギリス人のジェームズ・パーキンソンという医師の名前から由来する病名です。

この病気は、脳の中の神経に異常が起こることで発病しますが、若い人には少なく、普通40~50歳以降にみられることが多いとされます。※1,000人に1人といわれています。まれに30歳代の人が発病する場合があり“若年性パーキンソン病”と呼ばれています。

◆脳の異常とパーキンソン病
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脳は、大脳、小脳、脳幹に大別されます。パーキンソン病では、脳幹に属する中脳の「黒質(こくしつ)」という部分と、大脳の大脳基底核(だいのうきていかく)にある「線条体(せんじょうたい)」という部分に異常が起こっていることは分かっています。

脳は神経細胞の集合体です。この神経細胞同士の情報伝達には、「ドーパミン」「セロトニン」「アセチルコリン」といわれる神経伝達物質が欠かせません。

パーキンソン病では、黒質に異常が起こって正常な神経細胞が減少しています。そして、そこでつくられる「ドーパミン」の量が低下し、黒質から線条体に向かう情報伝達経路がうまく働かなくなっている状態なのです。

黒質でつくられる「ドーパミン」の量が正常な人の20%以下まで低下すると、パーキンソン病の症状が現れるといわれています。

※遺伝によって発症する確率は残念ながらゼロではなく、患者全体の10%前後は遺伝による発症と言われており、通常の病名と区別して「家族性パーキンソン病」と呼ばれています。ただ、遺伝しないとしている文献も多いです。

◆パーキンソン病の主な症状は?診断方法は?
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代表的な運動症状として、振戦(手や足のふるえ)、無動(動きが遅くなる)、固縮(筋肉がかたくなってこわばり、関節の曲げ伸ばしに抵抗がある)、姿勢反射障害(体のバランスがとりにくくなる)などが現れます。主要なこの4つの症状を、パーキンソン病の「4大症状」といいます。

他にも字がスムーズに書けない、ろれつが回らない、狭い所を歩きにくいなどの症状もあります。人によってどの症状が強くでるかも違うんです。

初診では、医師が患者の両手を持ってグルグル回します。この時、歯車のようにガクガクと抵抗感があるそうです。次に患者を立たせ(後ろには、必ずナースがいます)、軽く突きます。普通なら、何という事のない力でもパーキンソン患者はグラッと倒れそうになります。

そして、床に棒やボールペンなどを並べます。すると、すくみ足といって1歩目が出なかったのが“目標物”があると、不思議と歩きやすくなります。これでほぼ「パーキンソン病」と診断されます。

最後の決め手は“パーキンソン病の薬が効くか効かないか!”なんです。「うつ病」でも動作緩慢などの症状が出ますから。本当に診断が難しい病気です。初期症状が出てから診断まで数年かかるなんて珍しい事ではありません。

◆診断方法は、他にないの?
「心筋MIBGシンチグラム」という検査があります。心臓の筋肉内のノルエピネフリン神経の密度を調べる検査です。

最近の研究によって、心臓のノルエピネフリン神経がパーキンソン病やレビー小体病の患者さんの大部分で減少することがわかってきました。したがって、これを調べることにより、より正確な診断が可能になります。痛くもなんともない検査です。
※検査費用は、約2万円くらいかと。

2.パーキンソン病の重症度は?

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パーキンソン病の病気の進行度(重症度)を示す指標として、通常「ヤールの重症度分類」と「生活機能障害度」が用いられています。多くの場合は身体の片側から症状が始まり、進行すると身体の両側に症状が広がります。

“ふるえ”などの症状が片方の手足のみである場合をI度、両方の手足にみられる場合をII度、さらに病気が進行し、姿勢反射障害(体のバランスの障害)がみられるようになった場合をIII度とします。

日常生活に部分的な介助が必要になった場合をIV度、車いすでの生活や寝たきりとなった場合をV度としています。

生活機能障害度は生活機能の障害度に応じて1~3度の3段階に分類されています。

なお、ヤールIII度以上、生活機能障害度2度以上の場合は、特定疾患医療費補助制度が受けられます。
※働き盛りの年齢なのに症状が進行し、仕事を続けられなくなった場合は、申請すれば“障害年金”を受け取ることも可能です。「年金事務所」に相談してみましょう!

◆パーキンソン病と自律神経
パーキンソン病を発症すると、体中の働きを調整する「自律神経」の機能が乱れるため、様々な症状が現れます。例えば便秘、発汗、飲み込みづらい、立ちくらみがする、頻尿、排尿困難、冷え、むくみなどです。

年齢的にも“更年期障害”の時期や症状と重なるため、ドクターショッピングのあげく精神的に追いつめられてしまうこともあるんです。

3.パーキンソン病の治療やリハビリは?

脳内にドーパミンを補充するし、症状を改善するため、レボドパ(L-dopa、L-ドパ)製剤を服用します。すると、脳内でレボドパが「ドーパミン」に変わるため、脳内で不足しているドーパミンが補充されます。

パーキンソン病治療では主に、「レボドパ配合剤」が用いられています。現在もパーキンソン病治療の中心となる薬です。

パーキンソン病の治療は薬物療法が中心で、よほど画期的な治療方法が見つからない限りは、一生薬を飲み続けなければいけません。1つの薬をずっと使い続けるというよりは、むしろ2、3種類の薬を組み合わせて服用する場合が多いです。

期待できる効果や副作用は、薬の種類によって異なります。どの薬が合うかも患者さんによって違うんです。はっきりいって飲んでみないと分かりません。

◆ウェアリング・オフの治療法は?
ウェアリング・オフになると、レボドパが効いている状態(ON時間)と、レボドパが効いていない状態(OFF時間)が1日に何度も繰り返されると、日常生活に支障が出ます。

薬が効いているON時間を延ばし、効いていないOFF時間を短くするため、1錠ずつ3回服用する間に、半錠を2回入れたりします。

今は、24時間ユックリと効いていく“貼り薬”もありますから便利ですね!
※ただ、身体の動きはぎこちなくなってます。車の運転は控えた方が良いと思います。

◆リハビリは?←絶対に必要です!
申請すれば「介護保険」の適応になるかもしれません。申請が通れば“ケアマネージャー”と相談してリハビリに適したサービス施設を紹介してくれます。理学療法士と相談し、家でもできるストレッチを欠かさないようにしましょう。
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◆手術は?
❖脳深部刺激療法(DBS)
脳に電極を埋め込んで、電気刺激することにより、パーキンソン病でバランスの崩れた神経回路のバランスを取り戻し症状を改善します。
※手術後の薬剤調節や刺激条件の調節、リハビリを行いながら、日常生活のレベルを改善させることが目的です。

私にとっての「名医」とは、不安な気持ちを少しでも軽くしてくれる先生です。まず病気を受け入れなければ、難病の治療は始まりません。

「なんで私が・・・」と思うでしょう。そんな気持ちを「うまく病気と付き合って行くぞ!」という気持ちに変えてくれる先生こそ名医です。病気は強いです。勝とうとして闘わずに、負けないように付き合っていきましょう!

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