限界集落って何?

 

安倍首相は昨年の内閣改造で地方創生大臣を作り、今後「地方創生が内閣の最重要課題」とし、政府内に「まち・ひと・しごと創世本部」を立ち上げました。

6月5日厚生労働省は2014年の合計特殊出生率(*)が1.42と前年より0.01ポイント低下したと発表し、2005年過去最低の1.26を記録して以来9年ぶりの低下となりました。生まれる赤ちゃんの数が100万人を割るのが目前で、人口減少に歯止めが掛かりません。

(*)合計特殊出生率:一人の女性が生涯に産むだろうと見込まれる子供の数

この様な状況のなか、地方創生担当の石破大臣から『限界集落』という言葉が発せられることがあります。限界集落とは一体何でしょうか?

実は日本が人口減少社会に入って来たと言われることと無関係ではありません。また急激な人口減少は日本にとって好ましいことではありません。

限界集落があちこちに生まれ、集落の“点”が“面”になり、『消滅自治体』が生まれていくのです。限界集落・消滅自治体という言葉から、何を読み解き、これから何をすべきかを皆さんと一緒に考えて見ましょう。

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限界集落とは?

過疎化・高齢化が進行していく中、冠婚葬祭・恒例行事・農作業の互助など地域住民で行う共同作業や行事が維持できなくなり、社会の存続が危ぶまれている集落です。  

具体的には65歳以上(高齢者と言います)の人が50%を超え、人口が減少に歯止めがかからず、社会単位が維持できなくなった集落をいいます。
この様な集落では、集落内に長期間人が住んでいない空き家が増加していきます。

この現象は如何にも山間地域に点在している農山村、あるいは離島の集落をイメージしがちですが、実は大都市圏でも住民の半数以上を高齢者が占める住宅・団地が徐々に増えつつあるのです。

これは高度成長期に大都市圏郊外に建設された住宅・団地から子世代が独立し、親世代だけが残されたため高齢化が進みました。

建物の老朽化、空き家・空き室の増加、シャッター商店街、独居老人の増加、自治会活動の停滞等様々な問題が発生しています。 

限界集落が拡大していくと消滅自治体に繋がっていく深刻な問題になっていくのです。

限界集落を無くせるの? アイデアで食い止めることが出来るかも・・・・

若者が働く場を求めて大都市圏、特に首都圏に移動しています。人口減少が避けられない現在、地域の人が自分達の問題として真剣に考えない限り、難しいのではないでしょうか? 

限界集落に転落するのを食い止めた過疎の町村として紹介される例として、よくTV等で報じられているのが、徳島県勝浦郡上勝町の“葉っぱビジネス”、長野県小川村の“おやきビジネス”です。

“葉っぱビジネス”とは日本料理を彩る、「つまもの:南天・紅葉・松葉・千両などなど」に使う葉っぱを大都市圏に販売して大きな収入を得ています。
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初めは老人の生きがいを狙(ねら)って小さな仕事として発展したものが、今では規模が大きくなり若者まで仕事に係わっています。

そこで若者もどんどんアイデアを出し、生きがいを持って事業に取組んでもらうため、需要が高い葉っぱの木を計画的に栽培する専用の山を整備しています。

株式会社いろどり・公式ホームページ

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“おやきビジネス”とは 長野県小川村で昔から日常食べられていた野沢菜を、小麦粉で包んでじっくり焼いた“おやき”で村興(おこ)しに成功しました。

今では地元で採れた季節の野菜を包むヘルシーおやきとして口コミで首都圏からも食べに来るようになっています。若者も徐々に参画し出し、若者の力でインターネット販売まで行い全国に販売しています。
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おやき・小川の庄・公式ホームページ

ショッキングな“消滅自治体の公表”⇒危機意識と真剣な取り組みが大切!

増田寛也元総務大臣を座長とする日本創世会議が公表した推計では、地方から大都市へ人口流出が続くと、2040年には全国の半数の900近い市区町村が消滅する可能性があるとしました。

その基本は若い女性(20~39歳)が都市部に移動する結果、地方に若い男性が残っても人口の再生産能力のある若い女性がいなければ、現在の合計特殊出生率1.42では人口が減少していくと警鐘をならしています。
人口再生産力に着目した市区町村別将来推計人口について(日本創世会議資料)
この提言で名指しされた自治体はびっくりしました。

ここで注目しなければならないのは、地方から都会に出た若い女性が結婚しない(できない)ことなのです。

先ほど述べた厚生労働省発表の2014年の合計特殊出生率で東京が全国最低で1.15なのです。
都会に出ても結婚できず、日本全体の出生率を下げてしまっているのです。

豊島区も?自治体消滅危機


先進国では女性が活躍できるように、結婚しなくても子供を育てやすい環境をつくった国の方が出生率が高くなっています。

日本は男女平等指数が142ヶ国中104位の国ですから、これをなんとかしないと出生率が上がる事は望めません。

地方自治体が自らの問題として人口減少に危機感を抱く真剣さが問われているのです。
現に、この提言よりずっと前から問題意識を持っていた自治体があるのです。
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過疎の島、島根県隠岐(おき)郡海士(あま)町です。本州から60Km離れた隠岐の島の離れ島で、東京都杉並区の面積とほぼ同じですが、人口わずか2,400人(杉並区の人口の1/225)の自給自足してきた島です。

10年前自治体として人口減少に危機感を抱き、若者が定住しやすいような施策を次々打ち出し、全国から移住してきています。

例えば漁師になるためには毎月15万円を3年間資金援助しています。今では人口増になり嬉しい悲鳴が出ているのです。

若者定住の諸施策の予算は町職員の給料カットで住居・保育所等の整備、事業を企画する若者に全国投資家からの投資(一口50万円)を募り、7年で一括返済を義務づけています。もし返済できなければ町が代わって返済を保証、投資の利息は海士町の特産物で支払います。

海士町の支援で若者が次々と起業し、牡蠣(かき)の養殖・ブランド牛など次々と新しいビジネスが生まれています。

このように自治体が危機意識を持ち、積極的に対話しながら若者を取り込み、若者は地に足を付けて自分の夢を実現させる、このコンビネーションが今後限界集落⇒消滅自治体を食い止める鍵になっていくのではないでしょうか。

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