もっと詳しく!PM2.5

 

最近、よく聞く「PM2.5」、中国から偏西風に乗って、やって来る、非常に微小な物質のことです。

春先の「黄砂」「花粉」秋から春先に多い「PM2.5」、今までも、それぞれの、飛来時期には、マスクなどで、対策を講じてきました。

その中でも、「PM2.5」は最近になって、急に騒がれてきました。そして、今では、ほとんどの人が認識して、人体への影響を心配しています。

何故、急に「PM2.5」が騒がれるようになったのでしょうか?

中国にある、アメリカ大使館員がツイッタ―「BeijingAir(「北京の空」という意味)」で北京市の「PM2.5」の濃度を発信したことが、きっかけです。そして、今でも、毎日1時間毎に、更新されています。これによると、中国は300μg/㎥近くの濃度があります。

アメリカには「PM2.5」の厳しい環境基準がありました。1971年の自動車の排気ガスに含まれる粒子状物質が人的な健康被害を及ぼすとして、規制を強化してきました。

その後、1987年に「PM10」(10μm以下の粒子)が制定され、その後「PM2.5」という基準が追加されました。2012年末には、さらに強化されて、年間平均値を12μg/㎥という非常に厳しいものに変更しています。

WHOでは2000年に年間平均値を12μg/㎥というもっと厳しい基準を目指すべき指針として制定しています。

日本では、2009年(平成21年)に「PM2.5」の環境基準を制定しました。年間平均値が15μg/㎥以下であり、かつ、1日の平均値が35μg/㎥以下であることというものです。

日本もそれまで、工場からの、排出煤塵や、ディーゼル車からの排気ガスに対して、10μm以下の物質を対象とした基準がありました。「PM2.5」の基準制定には研究が最も進んでいる、アメリカの成果を参考にしています。

環境省が設定した環境基準告知の中で『「PM2.5」(微小粒子状物質)とは、大気中に浮遊する粒子状物質であって、粒径が2,5μm以下の粒子を50%の割合で分離できる分粒装置を用いて、より粒径の大きい粒子を除去した後に採取される粒子をいう。』とあります。

「PM2.5」の発生原因

黄砂の時期と重なって中国から飛来する「PM2.5」は何が原因なのでしょうか?

中国では、黄砂を発生させる砂漠化が北京郊外まで広がっています。中国は植樹よりも、ダムを建設して、電力と灌漑を兼ねて、黄砂を減少させようとしています。でも、灌漑自体が自然の水系を破壊し、また、灌漑の水が蒸発することにより、塩害にもつながりました。

日本でも「PM2.5」は発生しています。火山の噴火・排気ガスなど、が主な原因です。そして、家庭の中でも発生しているのです。

例えば、

調理中:加熱により食材が焦げると「PM2.5」が発生します。
車の運転:ブレーキをかけた時タイヤが道路と接して摩耗すると「PM2.5」が発生します。
喫煙:煙に多くの「PM2.5」が含まれます。
ヘアドライヤー:回転時、ほこり等が粉砕されて「PM2.5」になる場合があります。
掃除機:同上
レストランの外食:ガスやオーブンでは、1012粒/分の発生が見られ、個人の「PM2.5」曝露(ばくろ)量は10万粒/㎤を超えます。
衣類乾燥機:乾燥して衣類が「PM2.5」になる場合があります。
ろうそく:煤(すす)を発生させる。
ジューサーミキサー:食材の粉砕されたものが、「PM2.5」になる場合があります。
トースター:トーストの焦げが「PM2.5」になる場合があります。
ヘアアイロン:髪の毛が焦げて「PM2.5」になる場合があります。
蒸気アイロン:蒸気が「PM2.5」になります。
自家焼却:枯葉や木材は炭化物の「PM2.5」を発生させます。焼却する物によっては有害物質(ダイオキシンなど)を発生させる場合があります。
出典先:JExpo Sci Envilon Epidemiol(2011)21(1)20-30
(アメリカの研究)

そして、家庭からの「PM2.5」の発生は中国でもあります。

ガソリンの硫黄分は日本では法律による規格で10ppmに定められています。ところが、中国では、都市部・地方で複数の基準があり、一部の都市を除けば、150ppmと高い為、大気中に放出されて「PM2.5」になります。

又、冬季、暖房として石炭を炊く習慣からも「PM2.5」は発生します。

清華大学などの発表によれば、2010年度に中国で寿命が全うできなかった人の15%が大気汚染が原因として疑われています。

内訳は、脳血管疾患が約60万人、虚血性疾患が約28万人、肺疾患は約20万人、呼吸器系がん約14万人、呼吸器感染症が約1万人で、合計では約123万人にのぼっています。

そして、2015.8.14 16:53更新  産経ニュースによると、

中国、大気汚染禍で1日4千人死亡 発電用の石炭排出が元凶 米国では「不健康」の大気レベルに約4割が居住
【北京=川越一】中国で深刻な大気汚染の影響によって、1日約4千人が死亡していることが14日までに、明らかになった。AP通信が、米カリフォルニア大バークリー校の研究結果として伝えた。研究結果は近く、米科学誌に掲載される予定。
同校の研究チームが、中国当局が定めた新たな大気の監視基準に基づいて算出したところ、中国では年間約160万人が、大気汚染を原因とする心臓や肺の疾患、脳卒中で死亡しているという。
世界保健機関(WHO)が2014年に発表した報告書では、世界中の大気汚染に関連する死者は年間約700万人。そのうち約23%を中国が占めている計算になる。
研究チームによると、13億人を超える中国の人口の38%が、米環境保護局(EPA)の基準で「不健康」とされる大気レベルの地域に居住している。状況が最も深刻なのは北京の南西部という。頻繁に基準値を大幅に超える汚染が報告される河北省石家荘市などが該当するとみられる。

という事態になっています。その大気に含まれる「PM2.5」が日本にも飛来してくるのです。

「PM2.5」の人体への影響

何故、「PM2.5」は体に害を与えるのでしょうか?

問題はその、小ささにあります。呼吸器系・循環器系・眼科・消化器系・免疫系などです。

消化器と違い、肺に入れば出口がありません。そして、肺の85%を占める肺胞という球形の器官の粘液の表面張力のバランスを崩して体積の変動や機能の障害を起します。

肺胞は隣り合った肺胞と連携して、吸い込んだ空気から酸素を取り込み、代わりに、血液に溶け込んでいた、二酸化炭素を排出します。肺の機能そのものです。肺胞一つ一つが肺全体の働きになるのです。この肺胞に影響を及ぼします。

「PM2.5」は真ん丸な物質ではなく、角があります。その角が、気管支や肺胞を傷つけます。また、肺や小腸の血管からも入り込みます。

肺や小腸の血管の末端は栄養や酸素を取り込めるように穴が開いています。血液が流れだすほど大きい穴ではないのですが、その穴より「PM2.5」は小さいので入り込んで障害を起します。

白血球の1種のマクロファージが働いて、捕食した残骸が肝臓や腎臓で処理されて大便や尿として排出されなければ、血管内で、今度は白血球が集まって固まり、血栓になり、循環器系の疾患なります。

入る場所は肺や小腸ですが、障害がどこで起こるかはわかりません。ハーバード大学の疫学研究も「PM2.5」と心疾患よる死亡には因果関係があるとしています。小腸からの出血もあります。

目の表面に付着すると、涙の働きを阻害します。涙腺や福涙腺を塞いだり、ドライアイになって、「PM2.5」が目を傷つけて目から出血することもあります。(ラットの実験)皮膚に付着して皮膚の汗腺や皮脂腺を塞いで皮膚疾患を起こすこともあります。

試験管実験のレベルでは培養した神経細胞に「PM2.5」を振り掛けると死滅するという結果がでました。

「PM2.5」の防ぎ方

外から帰ったら、皮膚についた「PM2.5」を洗い流し、うがいをすることです。体内に侵入することを防ぐことです。目や鼻をこする前に、手洗い・うがいをします。

マスクは1重ではなく、重なっているもので、粒子を捕捉しやすく、鼻やのどを守るために湿度のあるものが、効果が高いといえます。

目を守るには、メガネをかけたり、目を洗うことです。うがいも目の洗浄も薬剤は使わない方が良いようです。

「PM2.5」を除去する空気清浄器を利用して元からなくすのも良い方法です。高性能の「HEPAフィルター」を備えた空気清浄器を使うと0.3μmの粒子が除去できるので、「PM2.5」も十分除去できます。

運動療法としては胸筋を鍛えて呼吸を楽にすることです。消化器に入った「PM2.5」は食物繊維をたくさん摂り、排便を確実にすることです。

「PM2.5」は体の機能を乱す「酸化ストレス」を生むので、ビタミン類をたくさん摂ることも予防になります。

サイクロン式掃除機では「PM2.5」は吸引できません。又、排気と共に排出されます。洗濯物や布団の対応は基本的に花粉と同じです。

掃除などで集めた「PM2.5」は土中に埋めるのが最善です。不燃ごみ、可燃ごみで出すと、結局大気中に放出されます。

落葉樹の森が「PM2.5」を防ぎます。落ち葉が地表の湿度を保って飛散を防ぎ、又、樹木は「葉」と「樹皮」が「PM2.5」を捕捉します。森林には、「PM2.5」を発生させない、飛散させないという役目があるのです。

参考・出典
謎の物質を科学する
ここまでわかったPM2.5 本当の恐怖
著者  井上浩義
発行所 株式会社アーク出版

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