二酸化炭素を資源にして“人工光合成”を目指せ!

 

人類の歴史は産業革命以来、高度な文明を発展させて来ました。その結果、大量の二酸化炭素(炭酸ガス、CO2)を排出してきたのです。

この100年で、二酸化炭素放出量が文明の発展に比例して格段に多くなっています。これが地球温暖化の一因になっていると考えられています。

排出する二酸化炭素を大気に放出しないで、資源として活用できれば素晴らしいことです。研究者達が真剣に考えてきたことは、“人工光合成”で有用な物質を作ることなのです。

nisan1 nisan2

近い将来、その夢が実現するかも知れません! まだまだ初期の段階ですが、世界が激しい開発競争を演じています。その夢の技術を紹介しましょう。

日本も官民あげて研究に力を入れています。是非日本の若い研究者が続いて欲しいと思います。そして将来日本がトップランナーとして、この小さな芽を大きく育て上げ、地球上の食糧危機、更には貧困を防いで欲しいものです。

パナソニック「人工光合成でシステム」で植物並みの効率を実現

植物の光合成はどのようにして起こっているの?

植物の生長原理は地中の水分を使い、酸素と水素に分離します。太陽光を利用して空気中から取り込んだ二酸化炭素と、地中から水分を取り込んで分解した水素から炭素化合物(でん粉など)を作ります。即ち“2段階の反応”でエネルギー物質を作ります。

この現象を簡単に言えば「植物の光合成とは無機炭素から有機炭素化合物を作り出すこと」なのです。

植物の光合成が2段階で行われることについてさらに詳しく見て見ましょう。

1)太陽光で水を、酸素・電子・水素イオンに分解する「明反応」
植物の葉緑素が地中から吸い上げた水を、太陽光のエネルギーで分解します。

即ち  2H2O=O2(空気中へ)+ 4H++4e―

2)得られた水素イオン(H+)と電子(e―)に
分かれた時のエネルギーを用いて、二酸化炭素からでん粉等を作る「暗反応」

初めに簡単な構造のブドウ糖を生成し、これが連なって多糖である“でん粉”や“セルロース”に変わります。
nisan3 nisan4

植物から学んでどのように“人工光合成”を目指すの?

次の3つを植物の光合成から学び、活用・発展させることです。  

いずれも未だ基礎段階ですが、日本がリードしている分野です。

1)植物の光合成を人工的に利用する方法
トウモロコシなどの食物からでなく、藻類から作るバイオ燃料です。最近話題になっているユーグレナ(和名ミドリムシ)もその候補の一つです。

日本では敷地面積等の制約、コスト的にも難点があるので、高効率燃料転換できる藻類開発を進める必要があります。
nisan5

2)水を水素(*)と酸素に効率よく分解する“光触媒”の開発と、水素と空気中の二酸化炭素から効率よく炭素化合物を作る“合成触媒”の開発
(*): 厳密には水素イオンH+と電子e―

植物の光合成有機触媒と似たメカニズムを用いて、効率よく炭素化合物を作り出すことです。既に一部の企業で植物のエネルギー効率に迫ると言われているもの、アルコールまでは出来ています。まだ実用化にはいくつもの壁がありますが、夢が一歩近づいたと言えるでしょう。

糖類まで作れるようになるには更に大きなハードルを超えねばなりません。

3)光合成に関与する植物細胞の構造(蛋白質・金属を含んだ複合体)を解明し、人工的に作り活用する方法

最古の光合成植物シアノバクテリア(ラン藻)にヒントを得た有機化合物の開発がポイントです。地道ですが着実に進んでいます。

パナソニック、「人工光合成システム」で植物並みの効率を実現 #DigInfo


これらの技術が確立されると、副次的に燃料電池の原料になる水素も、石油を原料にして取り出さずに地球環境に優しい方法で、生産できるようになります。

何よりも特筆すべきは、工場から排出される二酸化炭素も活用できるので、原料コストが掛からず、地球環境にとっては夢の技術と言えましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。