キョン 駆逐対象になってしまったかわいい外来生物

 

「キョン」といえば、数年?数十年?前の漫画の中に出てきた動物ですよね?でも実際の姿を見たこともありませんでした。

駆逐対象になっているということは“害獣”なんでしょうか?「キョン」がなぜ駆逐対象になってしまったのか調べてみました。
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1.「キョン」とはどういう生物なの?

キョンはシカ科ホエジカ属に分類されるシカの一種です。和名の“キョン”は「羌」を台湾語で読んだ「kiong(キオン)」によるものです。中国東部、台湾に自然分布しています。
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体長は70~100cm、肩高40~50cm、体重10~15kg。オスには短い角と牙があります。目の下方に臭腺(眼下腺)の開口部があり、これがつぶった眼のように見えるので、四目鹿(ヨツメジカ)ともよばれています。

こんな小柄で可愛い「キョン」がなぜ“駆逐対象”に?って疑問が増します・・・

かつて、千葉県勝浦市浜行川には動植物園を中心とした「行川 (なめがわ) アイランド」という観光施設がありました。そこでは千葉県内でキョンが唯一飼育されていましたが、1980 年代以降に一部が逃げ出したそうです。

餌が豊富にある千葉の土地で野生化し、現在のように繁殖していったとみられています。その「行川アイランド」は2001年に閉園しています。

◆「キョン」の生息地は?
※千葉県キョン防除実施計画による
千葉県における移入源は勝浦市にあった私立観光施設であると考えられている。これは当施設が房総においてキョンの飼育履歴がある唯一の施設であること、キョンの飼育管理が不十分であったという従業員の発言が得られていること、聞き取り調査においても最も早い時期の生息情報が当施設に隣接する地域で得られていること、及び分布域内で当施設周辺が最も生息密度が高いことによる。

移入時期は当施設が飼育を開始した昭和30(1960)年代から、野外で目撃されるようになった昭和60(1980)年代の間であると推定されている。

*平成19(2007)年3月時点の分布
鴨川市、勝浦市、市原市、君津市、富津市、いすみ市、大多喜町、御宿町及び鋸南町
分布域面積は570㎢

*平成23年時点の分布
大多喜町、君津市、市原市及び木更津市へと拡大しているとともに、勝浦市、鴨川市及びいすみ市では、推定生息数が急激に増加している。
布面積は1377.3㎢に拡大

*房総における生息頭数も平成23年度には約17,000頭にまで増加した。

◆鳴き声は?
キョンの喧嘩.m2t


◆「キョン」の繁殖力は?
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増加の原因は、キョンの驚異的な繁殖力!メスは早ければ生後半年で妊娠可能になります。約7カ月の妊娠期間を経て“出産”、そして出産直後には発情するという、ほぼ常に「妊婦」状態。恐るべしキョン!

1年に約36%のペースで増えるという試算もあるそうです。“ねずみ算”とまではいかないけれど“キョン算”も凄い!

肝心の生息数ですが、1990年頃から野生のキョンが確認されていて、2007年の調査では4,000頭まで増えていたようです。そっか4,000頭か~と思いきや、2014年末の調査でキョンの推定生息数は、なんと約47,000頭!こりゃ“キョン算”と言えるかも・・・

2.「キョン」による被害は?

キョンは、もともと草食性で木の葉や果実などを食べる動物です。千葉県と伊豆大島の両地域では、キョンによる稲、トマト、カキ、ミカン、スイカなどへの農作物被害が発生しています。さらに、民家の庭にまで侵入して樹木や花を食べあさったりしているようです。
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◆「キョン」には罪はないのですが、今後の対策は?
2005年に『特定外来生物』に指定されたため、許可なく日本国内に持ち込んだり国内で飼育したりすることは禁止されているとはいえ、繁殖力では“無敵のキョン”です。それで個体数が減少するはずはないですよね。

そして「鳥獣保護法」ではキョンは狩猟鳥獣に指定されていないため狩猟ができません。2015年現在では罠を使って、地道に捕獲していくしかないんです。ちなみに2014年の捕獲数は約2,200頭ということですから新たな対策を考えないとダメでしょうね。

中国では食用にされてるらしいですけど・・・日本でも“鹿肉”を食べますから同じと言えば同じですよね。ただ捕獲がままならない状態ですから、万一食用にしても減る個体数は変わらないです。

ツラいですけど現実問題としては、駆除しないといけないんですよね~、本当にツラいです。

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