絹を作ってくれるカイコとは?

   2016/10/07

高級繊維のシルク。絹織物のことです。日本では絹糸から作る織物として古くから珍重されて来ました。

中国の魏志倭人伝には、邪馬台国の女王卑弥呼が魏の皇帝に絹を献上したと書かれています。養蚕は稲作と共に中国から伝わって来たらしく、古事記や日本書紀にも記述があるようです。

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絹糸(生糸)は、カイコ蛾の幼虫カイコがさなぎになる為に作る繭の材料です。カイコは桑の葉を食べ、やがてさなぎになる為の空間に身を置き、3日間程の間に自分の口から糸を吐き出して、自分の身を守る繭を作るのです。

1本の糸で繭を作ります。その長さは1300メートルとも、1500メートルとも言われています。
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絹糸ができるまでを見てみましょう。



さなぎをゆでて糸を取り出す時とても臭いと聞いたような気がします。どうも、餌の桑の葉の匂いのようです。

薬効があり、漢方薬や血糖値の上昇を抑制するといわれる桑の葉ですが、匂いが独特なのかもしれませんね。そういえば、カイコの糞にも血糖値の上昇を抑制する効果があるとか。

【カイコの一生】

カイコは蝶や蛾の仲間です。

カイコの一生は卵➜幼虫➜さなぎ➜成虫➜卵というサイクルです。

幼虫の時期に4回、そしてさなぎ、成虫と計6回脱皮をします。卵から1か月半の間の短い一生です。


【体の構造】

カイコの足は8対の16本。詳しい体の構造とカイコの一生については

大日本蚕糸会の「カイコのふしぎ」【からだのふしぎ】

で詳しく紹介されています。

幼虫のカイコはいも虫や青虫のような姿ですが、成虫はがらりと印象が変わります。成虫はかわいいという人がいますね。
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カイコ蛾の成虫

幻想的なカイコの羽化、成虫への変貌を見てみましょう。


【カイコの飼育】

カイコの飼育キットも売られています。

養蚕農家はカイコを育てて繭を作らせ、その繭から絹糸を紡いで生産をしていました。広い屋根裏部屋が養蚕のスペースになっていました。

カイコは飼育される昆虫です。人の手を借りないと生きていけません。無農薬の桑の葉を与え、温度管理(20℃~30℃)をしてやると、育つようです。

【カイコの効用】

遺伝子組み換えをしたカイコの繭が様々な分野で利用されています。カイコ繭を用いたパンデミックインフルエンザワクチンも開発中です。すでに製品化されたものもあります。

製品化: 研究用試薬(ELISAキット用抗体など)

製品化: 診断用医薬品(抗原検出用抗体など)

製品化: 化粧品(コラーゲンなど)

開発中: 動物用医薬品(ワクチン、サイトカイン)

開発中: ヒト用医薬品(抗体医薬品、フィブリノゲン、ワクチン)など。

株式会社免疫生物研究所遺伝子組換えカイコ事業部

又、絹糸を作る能力があるカイコ。その能力をパワーアップさせた遺伝子組み換えカイコによって、絹たんぱく質を大量に作れる「昆虫工場」としての活用が期待されています。

すでに、再生医療の分野で人工血管や床ずれや火傷などの創傷保護材・電子素材などに利用されたり、実用化されたりしています。

未来の養蚕業は

カイコってすごい虫!(第3版) – 農業生物資源研究所 – 農林水産省

をご覧ください。

【食べ物】

カイコの幼虫は他の昆虫の餌になったり、さなぎを飼料にしたりします。

海外ではカイコを食べる風習の国もあります。油で揚げて食べるようです。日本でもさなぎを漢方薬として用いてきました。

又、タンパク質の摂取の為に佃煮にして食べたりしていました。さなぎ3個で卵1個分の栄養があるそうです。

昆虫食に興味のある方は

モグモグ昆虫食ランドで。


何千年もの間、短い一生を懸命に生きて 私達に絹を創り出してくれたカイコ。

遺伝子組み換え技術によって、再生医療や新しい繊維へと進化を遂げてこれからもずっと私達に天然の創造物を与え続けてくれるのですね。

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