正教会と他の教会の違いは?

 

キリスト教は数ある宗教の中でも信徒数が最も多い宗教です。そんなキリスト教界には、ローマ・カトリック、プロテスタント、正教会の3つの大きな区分があります。その中でも正教会のご紹介をさせていただきます。

07日本最初のギリシャ正教会


キリスト教界の三大区分

kyo1
元々一つの教会は、9世紀に東方教会と西方教会の2つに分かれました。東方教会は今日【正教会】と呼ばれ、一方、西方教会は【ローマ・カトリック】と呼ばれています。さらに16世紀に、ローマ・カトリックに対抗する形で、宗教改革者らのもと、新たに【プロテスタント】が生まれたのです。

こうして3つの大きな区分ができ、プロテスタントはその中でも数多くの教派にわかれています。しかし仏教などでは宗派によって教えが大きく異なっていることに対し、キリスト教は多くの教派に分かれていてもほぼ同じ【聖書】を基にしているので基本的な部分は一致しています。

しかし聖書以外に、聖書と同等(あるいはそれ以上)の権威を与えられた教典を持つ教派はキリスト教では【異端】とみなされます。

正教会(東欧や南東欧で盛ん)

kyo2
東方正教会
とも呼ばれ、その方式の大半は、ローマ・カトリック教会に極めて似ています。しかし正教会は、ローマ・カトリックのような教職の独身を要求せず、教皇もいません。

正教会は最も古い伝統を誇りながら、ローマ・カトリックほどの腐敗は経験をすることなく、全キリスト教徒のほぼ1/10を占めています。

20世紀になり共産主義革命による迫害を受け、多くの信徒や聖職者が世界各地に散りましたが、結果世界各地に教会が設立され伝道されるようになりました。

日本へは江戸時代末期、函館のロシア領事館づきの司祭として来日したニコライによって伝道されました。

正教会は【ギリシャ正教会】とも呼ばれますが、ロシア正教会・ルーマニア正教会・ブルガリア正教会・グルジア正教会など、国名・地域名を冠した正教会に分かれています

ローマ・カトリック(南欧や南米で盛ん)

kyo3
教会は本来、人々の前にキリストを示し続けるための組織でした。ところが世俗権力と結びついたローマ教会は、キリストの名や教えを世に強いるための組織と化し、それ故に以後ローマ・カトリックの歴史は【お金によって罪の重さに変化が出る】など腐敗した部分が見られるようになりました。

その後16世紀になって宗教改革が起こされ、【プロテスタント】が生まれた頃、それに刺激され自己改革を進めるローマ・カトリックの人々により、ローマ・カトリックの教皇(法王)は、世俗権力を持つことはなくなりました。

今日では、マザーテレサのように、尊い働きをなしているカトリック信者も存在し、中世のイメージからは大きく変わりつつあります。しかし1970年のヴァチカン会議において教皇無謬説(教皇は間違いがないという宣言)を呈し、今も撤回されていないことのほか、異教的なものが含まれています。

プロテスタント(西欧や北米で盛ん)

kyo4
「プロテスタント」とは【抗議する者】の意味で、ローマ・カトリックの腐敗に抗議することから始まった新しいキリスト教の流れです。プロテスタントは、一つの組織や、特定の機構によって成り立つわけではなく、純粋なキリスト教の回復を目指す諸グループ・諸運動の総称なのです。

プロテスタントの聖職者はみな「牧師」であり、特別大きな権力をもつ存在はありません。牧師を本職とせず、何かと兼業しながら牧師としての活動をしている人も多数います。

また、他教派では聖職者の婚姻に関しては非常に厳しい規則がありますが、その点においても自由で、婚姻関係を結び家族を作ることもできます。

教会も非常に簡素で、装飾されていないこともまた特徴的です。

牧師と神父の違いは?

kyo5
皆さんは、牧師と神父の明確な違いをご存知でしょうか?似ているようで、実は全く違う存在なのです。

簡潔に言うと、牧師とはプロテスタントにおける聖職者のことを指し、神父とはカトリックと東方正教会における聖職者のことを指します。牧師と神父の意味するところは大きな違いがあり、神父には序列社会があり、牧師にはありません。

神父は聖職者として他信徒よりも一段高いところにいて信者を統括し、牧師は教会の仕事をやるだけであとは他者と変わらないとするなど、聖職者としての立場や役割は大きく異なるのです。

十字架の違いは?


キリスト教で使われている代表的な3つをご紹介致します。

733px-christian_cross-svg
ラテン十字

カトリック、プロテスタントなどが頻繁的に使う代表的な十字で、縦棒が長いことが特徴

別名:ローマ十字

元々、十字はキリストが処刑された時に使われた道具であり、宗教的な意味合いを強めてシンボル化していったものなので、この形が一番オーソドックス

greek_cross-svg
ギリシャ十字
カトリック、プロテスタントのみならず、正教会でも頻繁に使われるタイプで、ラテン十字と並んで最も一般的な十字

縦棒、横棒の長さが同じで真ん中で交差しているのが特徴

宗教的意味合いの使われ方以外にも紋章、国旗の中で使われることが多く、スイスの国旗などがこの十字を取り入れていることでも有名

337px-cross_of_the_russian_orthodox_church_01-svg
八端十字
東方正教会で最も多く使われる十字で、縦1本、横3本の4本の棒から成る

ラテン十字の横棒の上に加えられた短い横棒はイエスの罪状書き、残りの横棒2本は処刑台の足台を意味している

ちなみに十字架のネックレスを、よく「ロザリオ」という呼び方をされますが、この呼び方はカトリックのみに通じる言葉です。八端十字のネックレスは「ロザリオ」とは呼ばれないので、間違えないようにご注意を。

美術的な特徴は?

kyo7
正教会

正教会芸術は、キリスト教美術全体の初期のものに精通しモザイク画をよく作成しています。材料はおもに貝殻や青金石で、この手法は、古代ローマに多く見られた手法です。

また正教会は、三大教派の中でも最も古い芸術品が多く、絵画も平面的なものが大変多いです。理由は昔ながらの表現の伝統をしっかりと受け継いできたため、当時には存在していなかった立体的芸術品は殆ど作られませんでした。

金色は「神の国」を象徴する色を指し、頻繁に金色が用いられています(金色一色)。また「キリストの顔があればそれでよい。余計なものは要らない」という考えから、背景は殆ど描かれずカトリックと比べるとやや簡素な印象を受けやすいです。

☆カトリック

華やかさが大きな特徴であり簡素な東方正教会美術とは対照的です。

カトリック芸術が大成するに至ったのは、フィレンツェで起きた古典芸術復興の運動、【ルネサンス】にあります。ルネサンスそのものは、キリスト教芸術の発展のためにあったのではないのですが、この時期に多くの「天才」と呼ばれる芸術家が、新しい表現方法を試みるようになり、キリスト教芸術にも反映させていきました。

色彩・背景はより立体性を追求し、「金色一色」とは異なる表現になっていったのです。

こうして天才たちの活躍にも助けられて、カトリック芸術はどんどんその豪華さに凄みを増し人々を魅了していったのです。

☆プロテスタント

プロテスタントには、特別な芸術意識がありません。プロテスタントの理念には、「お金をかけた装飾品は必要ない」とされ、煌びやかなものを徹底的に排除し全てを簡素化したといった結果、プロテスタント独自の芸術が大成することはありませんでした。

いかがでしたか?同じキリスト教の中でも似ているようで違ったところが多々あったかと思います。同じ教本を基にしても様々な考え方は多種多様ですね。

【引用・参考文献】
キリスト教教派早わかり
キリスト教文化入門

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket

この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。