急性アルコール中毒  悲劇は経験しなくていい

 

みんなで集まってお酒を飲むのは楽しいもの。

でも、みんながお酒に強いわけではなく、中には煽られて無理して飲んで、急性アルコール中毒で倒れてしまう人もいます。

こんな理由で死者を出したくないですよね。



1. 急性アルコール中毒の怖さ

アルコールの主な作用は、神経系の麻痺を起こし、運動の調節ができなくなることです。

急性アルコール中毒のレベルになると、足元がふらつくだけでなく自力で立てないほどの運動障害を起こしたり、昏睡状態になることもあります。

最悪の場合は呼吸停止(呼吸不全)や急性心不全になり脳に血液が行かない状態になるため、蘇生しても重篤な後遺症が残る例が報告されています。

しかし、もっとも死因として多いのは転倒や嘔吐による窒息です。

急性アルコール中毒の前の酔いすぎレベルでも、特に階段からの転落が危険で頭蓋骨骨折で運ばれてくる人もいます。

2.症状と対処法

急性アルコール中毒は「アルコール飲料の摂取により生体が精神的・身体的影響を受け、主として一過性に意識障害を生ずるものであり、通常は酩酊と称されるものである」と定義されます。

飲酒により意識レベルが低下し、嘔吐、呼吸状態が悪化するなど危険な状態に陥ります。

呑む量としては体重の分の g 相当、70kg の人だと 70g のアルコール量、缶ビールならば 5 缶程度で抑えます。しかし、呑める量には個人差が大きいです。

若年者・女性・高齢者などでリスクが高まり、とくに大学生や新社会人では一気飲みとして飲酒させられ、死亡に至るケースが毎年発生しています。

一般に若年者・女性・高齢者・飲酒後に顔の赤くなるタイプの人はアルコールの分解が遅いため、飲酒によるリスクが高まります。

特に、自分の限界がわからないことやアルコール体制の低い若年者に急性アルコール中毒のリスクが高くなります。

雰囲気が周りの勧めを断れずに飲んでしまう傾向が強いです。

多くが一気飲みを強要する「アルコールハラスメント」によって起きています。

アルコールが体に吸収されるまでには 30 分程度かかるため、周りも大丈夫と判断を誤ってしまい、アルコールが吸収されると血中濃度が一気に上昇して急性アルコール中毒が起きてしまいます。

体調を崩すことが分かっていながら飲酒を強要し、急性アルコール中毒で死亡させた場合は刑法第二百五条(傷害致死罪)が適用され、3 年以上の懲役が科せられます。

酔いすぎていると感じたら以下の対処をすると良いです。
  1. 絶対に一人にしない
  2. 衣服をゆるめて楽にする
  3. 体温低下を防ぐため、毛布などをかけて暖かくする
  4. 吐物による窒息を防ぐため、横向きに寝かせる
  5. 吐きそうになったら、抱き起こさずに横向きの状態で吐かせるなどで対処します。
また、可能ならば、身体を温めるお湯を飲ませてアルコール濃度を下げます。

酔いつぶれた人を無理に吐かせようとすると吐物が逆流してのどに詰まり、窒息する可能性がありますのでやめましょう。

揺すったりつねったりしても反応しない、身体が冷えている、倒れて口から泡を吐く、呼吸が不安定などの症状が出たら、救急車を呼びます。

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3.予防

まず、「お酒を飲めない人が日本には沢山いる」ということを知ることです。

アセドアルデヒドを分解する ALDH2 をつくる遺伝子には、酒に強く分解能力が高いとされるN型と、分解能力が低いD型があります。

誰でも両親からいずれか一つずつを受け継ぐので、人間には NN 型、ND 型、DD 型の三パターンあることになります。

NN 型は酒豪タイプ、ND 型はそこそこ飲めるタイプ、DD 型はアルコールを受けつけないタイプです。

日本にはこの ND 型、DD 型が半分ちかくになります。日本人は酒に弱いということを良く知りましょう。

特に、東北や九州の人は「呑める」と思われやすいので注意しましょう。実際に統計的に呑める人が多いのは確かですが、呑めない人も当然います。

また、呑めない人は「呑めない」ことをキチンと事前に話しておくことが必要です。

酔っぱらいに「呑めません」はなかなか通じないので、酔う前にハッキリと意思表示をします。

爪を送付すると遺伝子検査をしてくれる会社などもありますので、結果などをカードにして見せると意外と話題の種になります。

簡単なパッチテストの方法もあります。

市販の消毒用アルコールを含ませたガーゼを上腕の内側に貼り、7 分後にはがした直後、剥がして 10 分後の肌の色を見ます。

  • 肌の色に変化なし→NN タイプ。アルコールに強い分、依存症のリスクが有ります。
  • 肌が十分後に赤くなる→ND タイプ。あまり呑めないタイプ。程々にお酒と付き合いましょう
  • 肌がはがした直後に赤くなる→DD タイプ。まったく呑めないタイプ。勧められても口にしないようにしましょう。

これは自分でも手軽にできるので写真を撮って置いて見せるのも良いですね。とくにDD タイプの人には有効です。

また、飲める人も、体調がすぐれないとき、疲れたり寝不足の時、服薬中、妊娠中などはアルコールを口にしないようにしましょう。

お酒は楽しく飲むものです。飲める人もイッキなんて勿体無い飲み方をせずに、一口ずつゆっくり味わって飲みましょう。

まったく飲めない人も、その場の雰囲気や、酒の香りでほろ酔いになって楽しめますので、他人の飲むペースを乱さずに飲みたいものです。

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