海苔と日本以外の国

 

世の中には変わった(と思えるような)食べ方をするひとがいるものです。

「くちゃくちゃ音を立てながら食べる」「口いっぱいにほおばって食べる」はありがちですが、「カレーライスをグチャグチャに混ぜて食べる」は少し下品な感じがするし、「なんにでもマヨネーズをかける」は、元の味が分からなくなってしまうし、「チャーハンにソースをかける」は料理人に失礼な気がします。という私も五目そばについついラー油を入れてしまうので同じことか。

以前、友達が食パンに海苔つくだ煮を塗って食べているのを見て驚いたことがあります。ところが、伝統的にそれに似た食べ方をする国がヨーロッパにあることを最近知りました。

<ラバーペースト>

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この話題に火をつけたのは、やはりグルメ漫画「ダシマスター」の影響が大きいでしょう。イギリス東部のウェールズではトーストなどに塗って食べます。

見た目は日本の海苔つくだ煮に似ていますが、ビーフやチキンでだしを取り、意外に塩味が強く、煮込むときに砂糖を使うのでジャムのようでもあります。

最近多くの量販店で肉のパテが売られていて、それに近い感じでしょうか。

<海苔の歴史>

そもそも日本ではいつ頃から食べられているのでしょうか。

何と奈良時代に海苔についての記述が見られます。もともとは天然のものを取るだけでしたが、江戸時代になると養殖技術が発達して、東京湾で取れた海苔を和紙と同じように紙漉きの技術で加工したものが、板海苔の始まりです。

養殖とはいっても海苔の生態が解明されたものではなく、あくまでも経験則が頼りで収穫量は不安定なものでした。

海苔の生態系を明らかにしたのは、イギリス人のキャスリーン・メアリー・ドリュー=ベーカー(Dr.Kathleen Mary Drew-Baker)さんで、1949年(昭和24年)のことでした。

ちなみに海苔のことを英語では「laver」または「seaweed」といいます。現在でも海苔をよく食することに敬意を表してウェールズ語では「カウス・ポビ(caws pobi)、韓国語でキム(김)、中国語では紫菜(zǐcài発音記号)といいます。
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<海苔は日本人以外は消化できない?>

日本人は物心ついたときから海苔を自然に食べています。そのため腸内に「バクテロイデス・プレビウス」というバクテリアが棲みついています。

このバクテリアは日本人からしか検出されなかったという研究結果が出ています。このため外国人は消化できないとされています。

生海苔を食べる習慣もあるウェールズの人は消化する能力があるとのことです。ただし、焼き海苔など熱を加えたものであれば、熱が細胞膜を破壊するので問題なく日本人やウェールズの人以外でも消化できるのです。

海苔は食物繊維が多く、消化の良い食べ物ではありません。ただし、ゆっくりと消化されるので急激な血糖値の上昇を抑える効果が期待できます。

30%から40%もの良質なタンパク質を含んでおり、カルシウムも豊富です。ビタミンもとても豊富で、A、B1、B2、Cなどを多く含んでいて、特にビタミンAが豊富で、皮膚・粘膜の免疫力の向上や抗酸化作用があります。また30%もの食物繊維を含んでいます。

ガン予防や美肌効果などが期待できるなど女性にうれしい効果も。
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<日本以外での食べ方>

イギリスではウェールズ以外ではあまり食べられていませんが、最初に書いたように「ラバーペースト」として食べられています。人によっては砂浜に打ち上げられた海苔をそのままムシャムシャ食べてしまうそうです。

韓国では、もともと味をつけていない板海苔も生産されていましたが、日本の味付け海苔を韓国風にアレンジしてゴマ油と塩で味付けしたものが主流となりました。最近では「ワサビ味」なども発売されています。

中国では近年のすしブームもあって、日本と同じような板海苔も生産されていますが、元来の中国の海苔は、裁断することなくそのまま丸形や角形に厚く乾かしたものです。
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<海苔の賞味期限>

よくお中元などで頂いたままかなりの日数が経った海苔の缶などがあることでしょう。海苔は乾物ですので、しけっていなければまず食べても問題ありません。

婚礼の引き出物としても、かつお節、昆布とともに縁起物としてよく使われており、出産祝いや快気祝いなどでも重宝します。

美と健康のために素晴らしい海苔ですが、どんな食品でもそうですが食べ過ぎはあまりお勧めできません。海苔を含めた海藻類にはヨウ素が含まれており、過剰摂取は甲状腺機能低下の恐れがあります。

たった1枚の海苔で、卵や牛乳の1/5量に相当する程のたんぱく質が摂取できます。適量を楽しむことをお勧めします。

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