弓術と弓道

   2015/02/24

「一礼して、キス」「ひらひらひゅ~ん」などの漫画で注目が集まる弓道。同じ弓矢を使う競技にも色々あります。何がどう違うのでしょう?

弓と禅

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1.弓術と弓道とアーチェリーとの違い


日本で「洋弓」と呼ばれるように、欧米がその発祥です。狩猟民族であるが故に、弓はまさに「生きる糧」であり、精神性よりも確実に仕留めることが重要視されています。競技となった今も、もっとも競技性の高いスポーツの側面が高いものだと思います。

矢は和弓と違って弓の左側に来るよう番え、人差し指から薬指を弦に掛けます。弓の形にはいくつかの種類があります。リカーブボウと呼ばれるのは、弓の構成は主に、ハンドル、リム、スタビライザー(弓の振動を除去し、安定させる棒)サイト(照準器)から構成されている。

最も普及しているコンパウンドボウでは、弦を引く時に滑車を用いることで引き絞った時の引きが軽くなります。リリーサーという道具で矢の発射を行うため、リカーブボウに比べて的中精度は高くなります。

矢の放ち方として日本アーチェリー協会ではは、Stance スタンス(足踏み)、Set セット(胴造り)、Nocking ノッキング(矢つがえ)、Set up セットアップ(打ちおこし)、Drawing ドローイング(引き分け)、Full Draw フルドロー (会)、Release リリース(離れ)、Follow Through フォロースルー(残身(残心とも))とされていますが、これは日本の弓道にならったもので世界共通とはいえません。

競技形態も多種多様で、50m、30m は多くの大学において取り入れられている試合形式で、各距離で 36 射、合計 72 射してその総合得点を競います。

70mW(ダブル)/50mW(ダブル)はインターハイや国体などの競技会において予選として採用されている競技方式で、リカーブで 70m を 72 射、コンパウンドで 50m を 72 射し、合計点で決勝ラウンドのランキングを決定します。

2014 年以降はこの形式が最も基本的なアウトドアターゲットアーチェリーのフォーマットとなりました。

オリンピックラウンドは、メジャーな競技会において決勝ラウンドとして行われる試合形式で、選手 2 人(男女別々)が交互に的に向かって 70m から 12 射し、その合計点数で勝者を決定します。1 射に 30 秒の持ち時間の間に矢を射る必要があります。

アーチェリーはオリンピックで「中年の星」と騒がれた山本博選手の印象が強いです。中年であっても鍛え上げた筋肉はまさにスポーツマンのものでした。

日本では普及率が低いことや、器具を用いることで和弓より下に見られがちな側面があるのが残念です。器具はすべての選手が使っているので、アドバンテージにはなりません。

器具が複雑な分、それを組み合わせて使いこなす賢さと、和弓と変わらぬ精神力・集中力が必要とされる競技であると言えるでしょう。 弓術弓術は古代から中世に日本で発生したもので、流派が各種あり、騎射・歩射・堂射が行われます。

おまけ:現代のアーチェリーの弓の内側に矢をつがえるやり方は間違っていて、
外側からつがえていたんではないかという動画。

弓術


現在は伝統的な弓射文化全般が弓道とよばれ、「弓術」とは古武術との意味合いで使われることが多いですが境界は曖昧です。主に長弓と呼ばれる和弓を用います。

この和弓は人間の身長よりはるかに長く、標準で七尺三寸(221cm) もあります。弾性限界の低い木・竹を張り合わせる植物素材で作られているため、耐久性と威力を求めた結果、長大になったとも言われています。

また、弓幹中央より下側、約 3 分の 1 の位置に握りが来るように造られているのも特徴です。握りの上下で生じる弓の反発力の違いを利用した弓術独特の技術が生まれ、またその技術をより活かすための造りになっています。

また、洋弓などでは弦を首元までしか引かないのに対し、日本の弓術は弦が耳の後ろに来るまで大きく弦を引きます。取りかけでは右手親指根で弦を引っ掛けるようにして保持するのも洋弓との違いです。

的に中てるという意味では、洋弓より性能が良くない和弓ですが、日本では弓射は占いや祈祷の意味合いも強いため、「的中が目的ではない」側面もあります。

日本で弓が初めて使われた時期はハッキリしていませんが、礼射は大陸文化を取り入れて飛鳥時代末期礼射、礼法が整理され、また同時に技術も体系化して『弓術』として成立したとされています。

人々の間で弓矢には霊妙な力があると信じられており、奈良時代には弓矢の奉納 、弓射神事が行われ、祭りや神事が現在でも各地に残っています。流鏑馬などはわかりやすい神事ですね。

鉄砲の登場で実戦から離れても武術としての地位を維持し、江戸時代においても弓術は表芸として、また心身鍛錬の道として人気が高い武道でした。

明治維新で衰退しかけたために、大正 8 年に弓術は弓道へと改称、第二次大戦後に射の過程を 8 つの節に分けて説明される「射法八節」が定められ、弓道は現代武道として復活を遂げました。

江戸時代の弓術の概観を示す物として、大和流流祖・森川香山の五射六科があります。五射は代表的な射法である巻藁前(まきわらまえ)、的前(まとまえ)、遠矢前(とおやまえ)、差矢前(さしやまえ)要前(ようまえ)と分類、現在弓道として競技化しているのが的前になります。

六科は弓術家として身につけるべき弓理(射術理論)、弓礼(礼法、作法)、弓法(弓具の取り扱い方)、弓器(弓具に関する知)、弓工(弓具の制作方法)丹心(錬心。心の鍛錬)を指します。

現代では、古来から続く弓道、弓術流派は自身の発展の土台(「騎射」「歩射」「堂射」の内のどれか)を重要視、または流祖の教え、古流の保存など、それぞれの目的に合わせ一貫した技術・教えにより古来からの伝統を受け継いでいます。

弓道連盟に属して活動している流派・団体も多いが、連盟とは一切関与せずに活動を行っている流派・団体も存在します。
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弓道

弓術が発展したものを弓道といいいます。和弓で矢を射て、的に中てる一連の所作を通し、心身の鍛錬をする日本の武道の 1 つです。現在ではスポーツ競技の面も持ち合わせています。

1949 年に全日本弓道連盟が設立され、審査を行い、段級位や称号を授与、また競技会などを行っています。大多数の弓道家は流派には所属せず、全日本弓道連盟の定めた射法八節を学びます。

競技人口は約 12 万人、男女比率が 1 対 1 で日本では男女共に盛んなスポーツです。逆に海外での普及率はとても低いです。的中を取るか礼式を取るかの問題や、各流派の統一での混乱が起きましたが、現在は1953 年発行の「弓道教本」を元に、各流派の長所を生かして現代弓道の指標としています。

射法八節を定め、正面・斜面の打起し方法を採用、射礼・体配は小笠原流の所作を中心に採り入れ統一し、試合や審査上の混乱を是正しました。

全日本弓道連盟が公式に定めているのは「射法八節(後述)」「礼法」「間合い」のみで、同じ射距離で同じ弓・矢・カケを用いているにも関わらず、全く正反対の技術であっても通用しています。

※射法八節とは
         
  • 足踏み(あしぶみ):射位(弓を射る位置)で的に向かって両足を踏み開く。「執り弓の姿勢」(弓を左手、矢を右手に持ち両拳は腰に、両足を揃えて立つ姿勢)を取り、続いて「射位」に入り「足踏み」で両脚を左右に踏み開く。
  • 胴造り(どうづくり):両脚の上に上体を安静におく動作・構え。弓の下端を左膝頭に置き、弓を正面に据える。右手は右腰の辺りに置く。
  • 弓構え(ゆがまえ):矢を番える準備動作。「取懸け」でゆがけし弦・矢を保持、「手の内」で弓を保持する左手を整え、「物見」で的を見定める。
  • 打起し(うちおこし):弓矢を持った両拳を上に持ち上げ「引分け」へ繋げる動作。
  • 引分け(ひきわけ):打起こした位置から弓を押し弦を引いて、両拳を左右に開きながら引き下ろす動作。
  • 会(かい):弓を引き切り、矢が的を狙っている状態で次の「離れ」に繋がる。射手の心理からいえばむしろ無限の「引分け」の状態。見た目上は静止して見えるが身体的には「会」に入った後も力を掛け続けている。
  • 離れ(はなれ):矢を放つ。
  • 残心(ざんしん):矢が放たれた後の姿勢。「残身」とも書く。「離れ」後、そのままの姿勢を数秒保ち、心身ともに一息置く。精神を意味して「残心」、身体で意味して「残身」と書く。
※なんとなくカッコいい服装

弓道衣は、上衣は白筒袖・黒袴・白足袋を着用すると定められています。手を守る革の道具の弓掛もカッコいいです。精神性も重んじるので、キチンと手入れがされていて観ていて気持ちがいいです。

※競技

近的競技は射距離:28m、的:直径 36cm、遠的競技は射距離:60m、的:直径100cm で、射手は一回に 2 射(一手)、または 4 射(二手)する。的中制では的中数を競い、「あたり」と「はずれ」のみで判定し、的のどこに的中しても同じなのが特徴です。

得点制では、色的(得点的)を使用し、得点を競います。同点の場合は的中数で決定します。採点制では、的中だけではなく、射形、射品、態度などを総合して審査員が採点して順位を決定します。
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やってみたいと思ったら?

弓道は全国に弓道場もありますし、中学や高校の部活動なども盛んです。まずは見学を申し込んでみると良いと思います。弓術はなかなか先生が見つからないとか、コレという流派が分からないというのがあるかもしれませんが、連盟に加盟しているところもあるので、探してみると良いと思います。

アーチェリーも大学では部活動やサークルの活動が盛んです。工学的な要素があるせいか、弓道からアーチェリーに鞍替えする工学部生が結構いますね。

道具の専門店などに行ってみて、近くで活動ができる所を紹介してもらうのも良いです。

どちらも「武具」という側面があるので、市民センターなどの個人使用には事前登録が必要だったりします。安全に気をつけて練習しましょう。

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