海外に行ってないのに赤痢にかかることが

 

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赤痢(せきり)
という言葉をご存知でしょうか?赤痢ときくと下痢のイメージが強いかもしれません。赤痢とは下痢に血液や粘液が混ざって赤っぽく見える便のことで、この状態の便が出る病気が赤痢といわれます。

赤痢は大腸の感染症ですが、実は「細菌性赤痢」「アメーバ赤痢」の2種類があり、内容も異なってくるのです。

今回はそんな似ているようで違う部分もまとめてご紹介していきます。

細菌性赤痢とアメーバ赤痢とは?

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まず、2つの病気に対する大きな違いは【菌】によるものか【寄生虫】によるものかということです。細菌性赤痢の病原体は「赤痢菌」で、主に衛生環境の悪い発展途上国で水や食品などを飲食することで感染(経口(けいこう)感染(かんせん))します。

一方、アメーバ赤痢の病原体は、「赤痢アメーバ」という【原虫】で、主な感染経路は、発展途上国などで加熱をしていない水や食べ物を食べたとき(経口(けいこう)感染(かんせん))と、先進国では主に性行為(肛門周辺にいた原虫が、手指を介して・肛門に対する口腔性交により口の中に入ること)によって感染するといわれており、近年このアメーバ赤痢の国内感染が増加しているのです。

細菌性赤痢・アメーバ赤痢の症状は?

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細菌性赤痢


赤痢菌に感染してから1~5日後に、急な発熱・水様性の下痢・腹痛などの症状が現れます。特徴的な腹部症状としては、【しぶり腹】(おなかが痛いのに便が出ない)がみられます。また、便にしばしば血液が混じる血便(けつべん))もみられます。

また、血便や合併症はほとんどなく1週間で回復する場合も少なくありません。

アメーバ赤痢

アメーバ赤痢は感染した場所により【腸管アメーバ症】と【腸管外アメーバ症】に分類でき、症状の多くの場合は【腸管アメーバ症】とされています。

腸管アメーバ症

数日から数週間で症状は良くなったり悪くなったりを繰り返します。粘り気のある便血液と粘液の混じった便、嘔吐、下痢、しぶり腹などの症状がありますが、発熱や身体のだるさなど全身の症状は見られません。

腸管外アメーバ症

赤痢アメーバはさまざまな臓器で病巣を作る可能性がありますが、多くは「アメーバ性肝膿瘍」の原因となります。その場合は発熱、右わき腹の痛み、肝臓のはれ、吐き気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身のだるさなどがみられます。

渡航歴がなくても注意が必要!!

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アメーバ赤痢は海外で感染すると思われがちです。しかし、日本では感染者の多くに渡航歴がないにもかかわらず感染しています。しかも、日本でのアメーバ赤痢感染者の届け出は年間約700~800人ですが、【近年増加傾向】にあります。

国内の感染件数

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男女比では、国内感染のアメーバ赤痢では男性の感染者が圧倒的に多く男性同性愛者間での感染が多く見られます。一方、異性間の性行為でもアメーバ赤痢に感染する男女が増えている点も見られているため全体的に増加傾向といえるでしょう。

年齢別では男性では30~50代、女性では20~30代に多く見られます。日本国内での感染者数は、1999年には378例だったものが、2006年には753例と急増しており、男女ともに増加傾向にあります。

国外の年齢別でも同様で、国外は主に飲食物からの経口感染が原因とされており、感染した国の例には中国・タイ・インドネシア・フィリピン・インドなどがあげられています。

診断について

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感染者の便から、赤痢菌を検出することによって診断されます。完治し汚染便がないかを確定させるには治療終了後2日以上経過してから24時間以上間隔をおいて便の検査を2回行い、菌が検出されないことを確認する必要があります。

症状が落ち着いたからといって安心してはいけません。

治療法

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症状が軽い場合
は、水分補給や整腸剤などの対症療法のみで治癒が期待できます。血便がある場合・もともと免疫の低下がある場合には抗菌薬による治療が行われます。

下痢を止める薬を使用すると、かえって病状を悪化させる恐れがあるので注意が必要です。

※アメーバ赤痢は専門医が治療することで治る病気であるため、できるだけ早くに治療を受けるようにしてください。

予防法

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細菌性赤痢・アメーバ赤痢の予防は、どちらも基本的に【感染経路に近づかないこと】が一番です。そのため、以下のような方法が考えられます。

①渡航先での生水、生食は避け、基本的に加熱処理をしっかりと行う

②石鹸を使用した手洗いをしっかりと行う

③正しく避妊具(コンドーム)を着用する

④肛門と口が接触しないようにする

⑤身体を清潔に保つ

※基本的にワクチンや予防薬はありません。

いかがでしたか?赤痢ときいて発展途上国のイメージがあった方もいるかもしれませんが、近年国内でも増加傾向とされている病気の一つです。しっかりとした知識をもって予防に勤めていきましょう。

【引用・参考文献】
ヘルスケア大学
神奈川県衛生研究所
日経Gooday
元気ナースの雑学ブログ

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