難病 クローン病とは 潰瘍性大腸炎との違いは?

 

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あなたはクローン病をご存知でしょうか?原因不明で、治療法が確立していない難病の一つとされている病気ですが、聞いただけではいまひとつイメージし辛いかもしれません。

なので、今回はクローン病がどのような病気なのか?どの点に注意すべきなのかを簡単にまとめていきたいと思いますのでお付き合いの程をお願いします。

クローン病を知る前に!【そもそも消化管って?】

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私たち人間は生きるためには必要な食物を体内に取り込み、消化・吸収し、最終的には不要物を排泄することができなくてはなりません。

上記の役割を担う器官を【消化器(しょうかき)】と呼びます。具体的には、口(口腔)や胃・腸(小腸・大腸)・肝臓などがそれに値します。

消化器のうち、食物や水分の通り道となる部分が【消化管(しょうかかん)】となるのです。今回はこの消化管が重要になります。

クローン病を知る前に!【寛解(かんかい)と増(ぞう)悪(あく)の違いって?】

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【寛解(
かんかい):症状が一時的に軽くなることや消えた状態。このまま治る可能性もありますが、場合によっては再び悪くなるかもしれない状態です

【増悪(ぞうあく)】:さらに症状が悪くなった状態。一時的に良くなった状態からまた悪くなることを【再発(さいはつ)・再燃(さいねん)】と呼び、【増悪】はもともと悪かった状態がより悪化してしまう状態になります。

クローン病って?

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比較的男性に多く10歳代~20歳代の若年者に好発する、【口腔から肛門までの全ての消化管(特に小腸末端部が好発部位)に起こる慢性の炎症や潰瘍(粘膜が欠損すること)を引き起こす原因不明の疾患】の一つです。

非連続性の病変(病変と病変の間に正常部分が存在すること)を特徴とし、症状では腹痛や下痢が特に特徴的といわれています。他にも体重減少、全身倦怠感、貧血などが起こります。また、消化管以外にも肝臓や腹腔内、皮膚に病変を有することもあります。

病変は増悪と寛解を繰り返しつつ進行していきます。

クローン病の原因

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未だ原因は不明
です。現在考えられている部分では遺伝病ではありませんが、人種や地域によって発症する頻度の違い・家系内発症も認められることから、遺伝的な因子の関与が考えられています。また、喫煙者のほうが発病しやすいともいわれています。

クローン病の診断基準は?

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※まずクローン病かどうかを疑うことが重要です。

徐々に進行する腹痛・下痢・体重減少がないかなどの症状の有無。他にも血液データ、画像検査(大腸内視鏡・小腸造影・内視鏡検査など)も行うことがあります。

他にも手術の際に同時に採取される検体の病理検査所見や、肛門病変所見なども診断に必要な手がかりとなっていくのです。

クローン病の治療は?

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内科治療(栄養療法や薬物療法など)と外科治療
があります。主には内科治療ですが、腸閉塞や穿孔・腫瘍などの合併には外科治療が必要になります。また、現在では新たに難治性重症クローン病に対する治療法も見つけられているといわれています。

クローン病は完治するの?

長い間寛解を維持している人もいますが、クローン病は再燃することが多く、現時点では完全に治すための治療法は開発されていません。なので、クローン病とは社会生活も含めてうまく付き合っていくことが最も重要なことになってきます。

ただ、クローン病の殆どの人が、一生に一度は手術が必要になるといわれていましたが、治療の進歩により将来は手術をする人が減ってくる可能性があるといわれています。

治療を進めつつ定期的な検査を行うことで現状把握を密にすることがこの病気とうまく付き合っていくことに繋がるかと思われます。

クローン病とどこが違う?潰瘍性大腸炎

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【大腸の粘膜(最も内側の層)がびまん性におかされる原因不明の非特異的炎症性疾患】
で、こちらも再燃と緩解を繰り返すことが多く、ぶどう膜炎、関節炎、壊疽性皮膚潰瘍などの腸管外合併症を伴うことがあります。

特徴的な症状としては、下血を伴う(または伴わない)下痢とよく起こる腹痛です。病変は直腸から連続的に、そして口側に広がる性質があり、最大で直腸から結腸全体に拡がります。

発症年齢は若年者から高齢者まで発症し、性差はありません。またクローン病とは逆に喫煙をする人はしない人と比べて発病しにくいと言われています。

潰瘍性大腸炎の原因は?

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こちらも原因は不明です。現時点では遺伝に関する明解な回答はなく、遺伝的要因と食生活などの環境要因などが複雑に絡み合って起こるものと考えられています。

潰瘍性大腸炎の診断は?

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潰瘍性大腸炎の診断は症状の経過と病歴などを聴取することから始まります。

最初に、下痢の原因となる細菌や他の感染症を検査し鑑別診断が行われた後、一般的にX線や内視鏡による大腸検査を受けます。また生検による病理診断を行うことで他の病気と鑑別され、確定診断となります。

持続性あるいは反復性の粘血便が主症状で、下痢、腹痛、体重減少、貧血、発熱なども見られます。

潰瘍性大腸炎の治療は?

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原則的には薬による内科的治療
が行われます。しかし、重症の場合や薬物療法が効かない場合には手術が必要となります。

多くの患者さんでは症状の改善や寛解が認められますが、再発する場合も多く、寛解を維持するために継続的な内科治療が必要です。極一部ですが発病して7~8年すると大腸癌となる方もいるので、症状がなくても定期的な内視鏡検査が必要になります。

重症で外科手術になるなど一部の人を除けば、殆どの人の生命予後は健常人と同等です。

クローン病と潰瘍性大腸炎の簡単まとめ表

クローン病 潰瘍性大腸炎
発症年齢 若い世代 若い世代・高齢者にも起こる
性差 男性に多い 性差なし
炎症場所 消化管全て 原則的に大腸のみ
炎症の起こり方 消化管のあちこちに連続せずとびとびに炎症が起こっていきます 直腸から結腸に広がっていく
炎症の深さ 腸管の筋層にまで達する深い潰瘍を形成 比較的浅い
検査によりわかる特徴的所見 縦走潰瘍、敷石像、非乾酪性類上皮細胞肉芽腫 びらん、潰瘍、瘢痕

クローン病に対する医療費の公費助成制度がある!!

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クローン病は、「難病の患者に対する医療等の法律」における指定難病に定められています。最寄りの保健所にて手続きを行い認定されれば、指定医療機関における医療費自己負担分(保険診療)の一部が国や都道府県から助成されます。

指定難病にかかっており医療費に悩む方は一度近くの保健所へ相談下さい。

いかがでしたか?似ているようで違う病気というものもあるので個人では判断することは止めておきましょう!

難病と呼ばれるものに限らず病気にかかるということは実に不安になるものです。だからこそ自己判断は止めて定期的な検査を受けて早期に病気を見つけることが大切ですね。

【引用・参考文献】

北村 諭:内科学.3版.中外医学社.2008
難病情報センター
クローンフロンティア

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