他に人がいると無責任になってしまう傍観者効果

 

みなさんは物を落としても気付かない人や、道に迷っている人を見かけたら、手をさしのべますか?

ほとんどの人が、「助ける」と答えるかと思います。しかし、急いでいる場合や、自分が助けなくても大丈夫だろう…と考えた場合は、どうでしょうか?

傍観者効果は集団における人のこころの仕組みを説明してくれるものの1つです。傍観者効果とは一体どのようなものなのか…イギリスで起こったキティ・ジェノヴィーズ事件や心理学者の実験をヒントに見ていきましょう!

1.キティ・ジェノヴィーズ事件から発見された傍観者効果とは…!!

まず傍観者効果を知る上でかかせないのが、キティ・ジェノヴィーズ事件です。この事件をきっかけに傍観者効果が提唱されるようになりました。ですから、心理学を学ぶ人で、この事件に触れない人はいないと言っても過言ではありません。

キティ・ジェノヴィーズ事件は1964年にニューヨークで起こった殺人事件です。28歳の女性キティ・ジェノウィーズが、仕事を終え自分の家に帰ろうとしている途中、男に襲われ30分以上もの間、何度もナイフで刺され、殺されてしまいました。

警察の調べで明らかになったことは、なんと近所に住んでいた38人もの人が、彼女の「助けて」という叫び声を聞いていたということでした。にもかかわらず通報した人は1人もいなかったのです。

当時のアメリカでは、この事件は大々的に報道され、国中に衝撃が走りました。そこでこの現象を説明するものとして、傍観者効果という新しい心理学の考えが登場しました。

2.なぜキティ・ジェノヴィーズ事件は起こったのか?傍観者効果の原因は?

なぜ、キティ・ジェノヴィーズ事件という悲惨な事件が起こってしまったのでしょうか?

当時の人たちは、この事件をニューヨークという大都会だからこそ起こったのだろうと考えました。たしかに都会は、近所づきあいが薄かったり、人に対して冷たいというイメージはありますよね。

しかし、心理学者とラタネとダーリーの実験によって明らかにされたのは、人は周りにたくさんの人がいればいるほど、助けるという行動を起こしにくくなるということでした。

つまり、キティ・ジェノヴィーズ事件は、ニューヨークという大都会だからこそ起きた事件ではなく、多くの人が聞いていたために起こってしまった事件だということです。

傍観者効果とは、助けるべき状況にあっても、自分の他にたくさんの人がいることによって、率先して行動を起こそうとしないという集団心理の1つなのです。

傍観者効果が起こる原因としては、3つが考えられています。

まず、自分がやらなくても誰かがやってくれるだろうと考え、責任が分散されてしまうこと。2つ目は、助けてももし迷惑だったらどうしよう…助けて失敗したらかっこわるいなどの周りの評価を気にしてしまうことです。

最後は周りの人がやっていないから、きっと大丈夫なのだろうと自分で判断してしまうことです。

3.傍観者効果は悪いこと?

傍観者効果は、それ自体悪いことではありません!例えば、あまりにも周りのことに気を使いすぎたり、いろいろなことに首を突っ込むと、疲れてしまいますよね。傍観者効果はそのようなことにならないために、人間に必要なこころの仕組みなのです。

しかしキティ・ジェノヴィーズさんのような助けられたかもしれない人を見捨ていいというわけではありません。

傍観者効果には対処法があります。その対処法はズバリ!!傍観者効果というこころの現象について知っておくことです!!!つまり、この記事を読んでくださっているみなさんは、もう傍観者効果に対処する術を持ってらっしゃいます!

例えば、誰かが困っていて、周囲に人がたくさんいて助けたいけど、怖いなぁ…そんな状況は多いと思います。しかしそんな時は少しの勇気を持って、「大丈夫ですか」と声をかけてみる。あなたの少しの頑張りで傍観者効果を起こることを阻止できます!

しかし、傍観者効果では説明できないような周囲に人がたくさんいたからこそ、助けられたという場合もあります。


電車に足が挟まってしまった男の救出劇

以上のように、人がたくさんいるからといって必ずしも傍観者効果が起こるわけではありません。しかし、傍観者効果を理解し、知っておくことは、生きていく上で必要で大切なことだと思います。

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