認知症介護のスペシャリスト 大谷るみ子さんとは

 

日本は、先進国の中でもトップクラスの高齢社会と言われています。そんな中、お年寄りの介護というのは日本が抱える大きな課題の1つです。介護の現場からは施設従事者からお年寄りへの暴力やまたその逆といった悲しいニュースがあとを絶えません。

そんな日本の社会が抱える課題でもある介護ですが、大谷るみ子さんの介護に対する向き合い方は、私たちに大切なことを思い出させてくれる気がします。介護とはなんなのか…大谷るみ子さんの認知症介護について詳しくみて、一緒に考えていきましょう。

1.大谷るみ子さんの認知症介護に対する向き合い方


大谷るみ子さんの認知症介護をする上で大切にしているのは、たとえ認知症になり、認知症の方が、自分のことがうまく話せなくなったり、生活が一人でできなくなっても「感じる心」は残っているということです。

たとえ、徘徊などの困った行動が表れても、それは本人も認知症による不安で苦しんでいると捉え、大谷るみ子さんは一番困っているのは、本人であると考えます。その思いを大切にしながら、大谷るみ子さんは認知症の方に向き合います。

例えば大声をあげたり、暴れていても、しっかりと向き合い、話を聞く姿勢を持つ、徘徊している人がいれば、徘徊にとことん付き合うなどです。こういった向き合い方は、認知症の方に「感じる心」が残っており、介護は人と人との付き合い方であるということを忘れない大切なことだと思います。

2.大谷るみ子さんの介護への姿勢はどこからきたのか


大谷るみ子さんは、高校卒業後に看護学校へ進みました。卒業後は病院で看護の基礎を学びながらキャリアを積み、1990年に新しく設立された病院の総婦長となり、その法人が特別養護老人ホームを設立したことから、高齢者介護に携わるようになりました。

そして介護の世界で理想と現実のギャップに悩んでいたころ、出会ったのがデンマークの福祉でした。「ノーマライゼーション」というデンマークの福祉理念は「障害者や高齢者など社会的に不利を受けやすい人々が、社会の中で普通の生活を送る権利があり、社会はそれをサポートしていくのが本来のあるべき姿である」という考え方でした。

大谷るみ子さんは、ノーマライゼーションの理念に感銘を受けた病院の理事長に背中をおされ、三ヶ月もの間、デンマークへ留学し、デンマークの福祉について学びました。そして帰国後、学んだことを活かし一人ひとりに寝室や居室が備えられた個人を尊重したグループホームを設立したのです。

以上のように大谷るみ子さんの介護への姿勢は、看護で培った基礎、介護の理想と現実のギャップ、デンマークの介護理念など、様々な経験を通して確立されていったものであるということが分かります。

3.大谷るみ子さんが目指すこれからの認知症介護


これまで大谷るみ子さんの認知症介護が確立された経緯、認知症介護で大切にされている思いについてみてきました。最後は大谷るみ子さんが考える、今後の認知症介護の向かうべき方向について紹介したいと思います。

大谷るみ子さんは大牟田市認知症ライフサポート研究会の代表として、認知症の人が安心して徘徊できるまちを実現させようと奮闘されています。大牟田市では、徘徊が安心してできるように徘徊模擬訓練や認知症のお年寄りを持つ家族支援や物忘れ検診など様々な取り組みが行われています。

徘徊模擬訓練では、実際に認知症役の人に歩き回ってもらい、警察から学校、郵便局、コンビニなどの支援者に認知症のお年寄りがいなくなったという情報を回し、それらしきお年寄りに声をかける訓練を行っています。

また認知症について正しい知識を知ってもらうために、子どもたちに読み聞かせる絵本を作る取り組みもなされています。そして絵本のテーマとして重要なのが、大谷るみ子さんが認知症介護で大切にされている「いつだって心は生きている」という思いです。

大谷るみ子さんは認知症の方が当たり前に自分らしく生きていくことのできる社会を実現するため、様々な取り組みをされています。ここまで大谷るみ子さんがおこなう認知症介護の取り組みについて、過去から現在まで詳しく紹介してきましたが、どうだったでしょうか。

認知症は誰しもがなる可能性のある病気で、とても身近なものだと言えます。認知症の方の目線に立ち、どのように見えているのか、その人の目線を大切にし、物事を考えることが大切なのではないかと考えました。

参考HP
http://www.nhk.or.jp/professional/2008/1118/index.html
プロフェッショナル仕事の流儀 認知症介護大谷るみ子
http://www.kyoto-houkatucare.org/seminar/report/2013/12/2496/
京都地域包括ケア推進機構 大谷るみ子

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