目のピントが合わないような変な感じがしたら、それは脳(のう)動脈(どうみゃく)瘤(りゅう)のせいかも

 

『最近目が霞むんだよなあ…そんなふうに感じている人も少なくはないでしょう。仕事などを頑張っている人や眼鏡の調子が悪いこともありますよね。しかし、そんな割りとよくある症状に実は怖い病気の前兆が隠れていることもあるのです。

今回は脳(のう)動脈(どうみゃく)瘤(りゅう)という病気についてご紹介します。

脳動脈瘤について


脳動脈瘤って?


血管には大きく二種類の血管が通っている
といわれています。一つが動脈(どうみゃく)(心臓から血液を全身へ送る血管)、もう一つを静脈(じょうみゃく)(全身から血液を心臓へ戻す血管)と呼びます。

脳動脈瘤とは、脳内にある動脈の壁が膨らみ破れやすくなった状態で、瘤のようにみえることから【頭蓋内動脈瘤】とも呼ばれます。

未破裂(みはれつ)脳(のう)動脈(どうみゃく)瘤(りゅう)って?


文字通り未だ破裂に至ってない脳動脈瘤です。脳動脈の壁に、瘤のように膨らんだ部分があり見つかった時点で破裂の兆候がない状態のことを指します。また、未破裂なので基本的に症状も見られません。

脳ドックなどの検査で日本人では約5 %程度の人に見つかると言われており、決してまれなものではありません。完全に安全な脳動脈瘤はありませんが、多くの脳動脈瘤の破裂率は高くないため、治療を急ぐ必要はありません。

身内の方と担当医師の話を聞きながらしっかりと今後の方針を決めていきましょう。

脳動脈瘤にもタイプがある?


脳動脈瘤には大きく3つのタイプに分けることが出来ます。

①直ぐに脳動脈瘤が形成され出血し、くも膜下出血を引き起こすタイプ(予防の仕様が無い)

②徐々に脳動脈瘤が大きくなり出血するタイプ

③脳動脈瘤が形成されるが、大きくもならず出血もしないタイプ

現在の研究では主に③が多いとされています。

破裂脳動脈瘤の症状は?


脳動脈瘤が破裂した際の典型的な症状として、【今までにないような激しい頭痛】の他にも、以下のような症状がみられます。

・吐き気と嘔吐
・頸部のこわばりや痛み
・目のピントが合わない・複視
・眼の上や目の奥が痛む
・瞳孔が開く
・光に対して過敏になる
・感覚消失
・意識消失

未破裂脳動脈瘤の症状は?


脳動脈瘤が破裂するまで患者さんの多くは全く症状がありませんしかし、約四割の方に以下の症状を経験されることがあります。

・視野一部が見えにくい
・物事の考えにくさを感じる
・言葉がしゃべりにくい
・異常知覚
・突然の行動変化
・平衡感覚や手足を上下に動かしにくくなる
・集中し辛い
・最近の事が覚えにくい
・疲労感や倦怠感が強くなる

わりと身近な症状なので、画像検査などの情報も踏まえて判断する必要があります。

脳動脈瘤の診断は?


脳動脈瘤の破裂は【くも膜下出血】として発症することがほとんど
です。CT(コンピュータ断層撮影)による画像検査でくも膜下出血の兆候をみつけることにより診断されます。

仮にCT 検査の結果でくも膜下出血が明らかでなくても、破裂脳動脈瘤が依然として疑われるようであれば、脳脊髄液というものを採取し血液が混じっていないか検査します。

また、脳動脈瘤の正確な位置・大きさ・形状を知るために専門医は脳血管造影またはCT血管撮影なども実施していきます。

脳動脈瘤の原因


遺伝的な要因
(家族や家系内にいる場合発症リスクが高いといわれています)と環境要因(煙草を吸う人、高血圧の人、大量に飲酒をする人などに見られやすいといわれています)が考えられています。

ですが現段階でははっきりとしていないところも多く、先程述べた項目に該当しない方にも起こりえます

どのようにして 出血するの?


脳動脈瘤破裂のメカニズムには、血液の流れ・凝固・炎症・血圧の部分がからんでいるようです。脳動脈瘤の先端に血液循環の悪い部分ができ、血液が滞ります。そこから脳動脈瘤の壁が弱まり、負担が大きくなることで破裂するのです。

脳動脈瘤があると診断されたら?


脳動脈瘤の出血率はそれほど高くはない
といわれています。(確率として100人の脳動脈瘤患者のうち年間に2人の割合)脳動脈瘤の大きさが出血リスクと大きく関わりますので、5mm以下であれば、リスクは極めて低いと考えてよいでしょう。

環境要因のリスクは喫煙・高血圧・大量飲酒の3です。そのためそれぞれ該当する方は控えるなどして生活習慣を改める必要があります

薬も大事ですが、生活習慣を整えることがとても重要なのですね。

外科的治療はどうするの?


手術リスクが極めて高い場合を除き、10mm
以上の大きな脳動脈瘤は外科的治療を選んだほうがよいと考えられます。逆に4mm以下の場合は基本的には上記の生活指導や内科治療を受け、経過観察でよいと考えます。

もちろんその場合でも定期的な画像の経過観察は必要です。外科的治療を選択するかどうかは年齢や本人の希望・病状などにより様々な様子が関与するといえるでしょう。

外科的治療の主体は脳動脈瘤の破裂防止となります。破裂防止のためには外科的治療が必要で、開頭によるクリッピング術と、カテーテルを挿入する脳血管内治療の2種類があります。

如何でしたか?破裂すると今後の生活や命に関わる状態になりかねない脳動脈瘤。定期的な検査をすることで、身体の異変に直ぐに対応できるようにしていきましょう。

【引用・参考文献】
東京女子医科大学東医療センター脳神経外科
秋田県立脳血管研究センター
脳動脈瘤治療のいま

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