家族にこそ知ってて欲しい:注意機能障害

 

貴方は、注意(ちゅうい)機能(きのう)障害(しょうがい)という言葉をご存知でしょうか?

例えば交通事故などで脳に損傷を受けた場合などに発症し、集中力が下がってしまったり、見た目にもぼんやりしてしまうことがあったり身近な人だからこそ感じる違和感が出てきてしまう事があります。

しかし、理由がわからないと違和感だけが続いてしまい、家族や周りの人だけでなく、何より自分自身が苦しんでいる方もいるのです。

今回はそんな注意機能障害についてご紹介します。高次機能障害の注意障害について理解しよう!


注意機能障害って?


高次脳機能障害のひとつ
とされ、脳に損傷を受けた場合などに発症することがあります。

例えば、『集中力の低下により、仕事や勉強を長時間続けることが困難になる』『いつもぼんやりしている』『人の声かけに反応しない』『同時に2つ以上のことを考えられない・できなくなる』『車の運転で歩行者・障害物に気が付きにくくなる』などの症状も見られます。

注意機能は全ての認知機能において基盤となる存在であり、社会生活を営むためのあらゆる行動に含まれ、これを統合する役割を持っています。

そのため、注意機能障害によって日常生活で『どうしてこんなことができなくなったのだろう…』と悩んでしまう人も少なくないのです。

注意機能障害の分類

症状は、以下の4種類の注意障害に分けられます。

全般性注意障害


全体的な注意機能が低下する場合をいい、注意の持続・維持が困難になります。

また、言語・記憶・思考等がまとめづらくなり、会話や考えがまとまらなくなるため、行動に一貫性がなくなります。また、一部では記憶や判断に誤りが起ることで錯覚や幻覚などを伴うこともあるようです。

具体的な症状としては、『周囲の状況の理解が困難になり、正しい返答が難しくなる』『課題を提供すると15分と続けて行うことが出来ない』などがあります。

これらの原因には右側大脳半球の前頭前野や頭頂葉領域の損傷後に発症することが多いといわれています。

容量性注意障害


こちらの障害では、一度に処理できる情報量が低下します。少ない情報であれば問題ありませんが、情報処理の効率が低下し、同時に複数の作業を処理することが難しくなります。

例えば、『短い文章での会話であれば問題なく出来でも長文では混乱する』『一桁の計算問題はできるが、三桁での計算ではわからなくなる』『卵焼きだけは作れても同時に味噌汁は作れない』などで。

容量性注意障害の原因は大脳の全般的な機能不全により生じます。他にも前頭前野の損傷により現れる場合も考えられます。

③持続性注意障害


こちらは一般的にいう『集中力が続かない状態』になります。

注意を持続的に集中することが難しくなり、軽い障害の場合では、比較的短時間での集中は可能であっても、長時間になると集中し続けることが難しくなります。そのため、課題や仕事の効率が一定に保てなくなるのです。

他に特徴的な症状として、運動機能面に問題がなくても『口を開け続ける・声を出し続ける』といった単純な運動や動作を持続して出来なくなります。

原因としては大脳皮質全般の損傷や皮質下損傷(特に右側大脳半球損傷後)に障害が多く見られます。

選択性注意障害


関係のない刺激に対して注意を奪われやすくなり、目的に対しての注意に集中することが難しくなる状態を指します。例えば、作業をしていても周囲で物音や話し声がしているとそちらに意識が向いてしまい、落ち着けず作業に支障をきたします。

他にも、『多くの中から目的の物を選び出すことが難しい』『話し相手との会話内容を聞き取ることが難しくなる』などが考えられます。

注意機能障害ってどうやったら判断できるの?



注意機能障害の有無・程度に関しては複数の検査や観察をもとに把握します。心当たりのある方は近くの病院に相談してみましょう。

観察で見られやすい注意機能障害の可能性

・眠そうにしている

・疲れやすい

・以前は活発だったのに全然動かない(活動性の低下)

・雑音を気にしている

・落ち着きがない

注意機能訓練ってどんなことするの?


受傷・発症後すぐには、意識障害も重なっている可能性が想定されます。本人の状態に合わせて個室など意識が逸れる刺激の入りにくい場所から徐々に慣れていくような訓練が進められることが多いでしょう。

内容としては注意力テキスト・間違い探し・ゲーム・計算など、その人に合わせて訓練を導入していきます。

どうしたら過ごしやすくなる?


家で生活するにおいて落ち着くことが難しいとなると大変ですよね?少しでも過ごしやすい環境にするために以下のような環境は如何でしょうか?

①声掛けを行うときは目線を合わせて、話を聞いているか確認してから伝える

②会話の内容は短く・ゆっくりと伝える

③適度に休憩をとるように促す

④静かな部屋を用意する

⑤刺激になるような物を置かない(部屋をシンプルにする)

⑥睡眠をとるように促す

⑦作業は一つずつ行うようにする

⑧自分のペースで作業を行う

⑨見落としや間違いを無理に気づかせない

これらのことに配慮して、本人だけでなく周りの人も過ごしやすくしていきましょう。

どこに相談すればいい?


まずは診断が重要です。近くの病院(
主に脳外科)で出来るだけ具体的な『違和感』を感じた出来事を伝えて相談してみましょう。脳画像など検査を受けることができるかと思われます。また、他にも保健所や家族会といった相談窓口も多数存在しています。

その不安を一人で抱え込むよりも、まずは誰かに聞いてもらおうという気持ちで参加してみては如何でしょうか?

いかがでしたか? 今回は一部分での紹介でしたが、高次脳機能障害とは一見して判り難い分、より周囲への理解が重要となってくる障害です。

障害のことを知らないと『なんでこんなことができなくなったのだろう?』『何かがおかしいのにわからない』と、一人で抱え込んで苦しむことがあるかもしれません。だからこそ、専門病院でしっかりと原因をはっきりさせることが重要ですね。

【引用・参考文献】
国立障害者リハビリテーションセンター
広島県立障害者リハビリテーションセンター
高次脳機能障害.net

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