家族にこそ知ってて欲しい:記憶障害

 

みなさんは記憶障害についてご存知でしょうか?人によっては『認知症のことでしょ?』と感じる方もいるかもしれませんが、実はちょっと違うのです。
今回はそんな記憶障害についてご紹介します。

第2回認知症~記憶のメカニズムと記憶障害~


そもそも記憶って?


 経験や新しい言葉などを覚え(記銘)、頭に留めた(保持)ものを必要に応じて行動や考えの中に取り入れていく(想起)ことをいいます。記憶は、この『記銘』『保持』『想起』の3段階から成り立つと言われており、能力は20代頃より年齢と共に低下していくと言われています。

記憶力以外の能力は体験や経験から学び成長し続け、知能全体は50代頃まで伸び続けるという説もあります。しかし、60代頃より人の記憶と共に判断力・適応力などにも低下がみられる事があります。

記憶は、勉強などだけではなく、人が生きていくなかでも重要な機能であるため、記憶能力が不十分だと日常生活にも影響が及んでしまいます。

記憶の分類って?


記憶は大まかに5つ分けられます。

①短期記憶
短い期間のみ記憶として脳に刻まれる出来事を指し、時間の経過とともに忘れ去られるか長期記憶に移行されます。(所謂テスト前の一夜漬けをイメージしていただければ…)

認知症の方は短期記憶が保たれにくく、新しい事を覚える事がとても難しくなります。(これを短期記憶障害といいます)

短期記憶が低下した場合の具体例

・今日の日付がわからない
・どこに物を置いたかわからなくなる
何度も同じことを聞く(または話す)など

②長期記憶
今まで体験した出来事で、普段は頭に上らなくても何かの切っ掛けで思い出せる記憶を指します。

長期記憶が低下した場合の具体例

・一般的に知られている内容が思い出せない
・自分の母校の名前が思い出せない
自分の職業が思い出せない
家族の名前が思い出せないなど

③エピソード記憶

個人的に体験された出来事についての記憶といわれ、例えば『ブランコ』に対して「昔友人と一緒に遊んだ。」という思い出や、連想される具体的な思い出などがこれにあたります。

エピソード記憶が低下した場合の具体例

体験したこと自体を忘れてしまうため、周囲の人と話が噛み合わなくなる

④手続き記憶

自転車の乗り方など、身体で覚えたことに対する記憶です。言葉などよりも身体で覚えたことは比較的保たれやすいとされています。

⑤意味記憶

文字通り、言葉の意味を指すことです。例えば『赤ちゃんは泣くもの』『1+1=2』など歴史的事実や数式などがこれに当たります。

つまり、これらの記憶がそれぞれ低下することで、会話の噛み合わなさなどから人間関係にも影響する場面につながるのです。

記憶障害となりうる原因は?



例えば『脳卒中』『頭部外傷』『脳腫瘍』『低酸素脳症』『認知症』などが挙げられ、脳のどの部分に障害を受けたかによって、現れる症状も異なります。

高齢になると”物忘れ=認知症=記憶障害”と同時にまとめてしまいがちですが、原因によっては年令に関係なく症状が現れる事もあります。年齢によるものとは限らないことに注意しておきましょう。(なので、記憶障害=認知症とは言えないのです)

記憶障害への対応は?


記憶障害に対してそのものを改善することが難しい場合があります。そんなときはどうしたら良いのか悩む方・御家族は以下の方法を参考にしてみて下さい。

例えば…

・大事な約束や情報は掲示板や付箋紙、メモ帳を利用する
・一日の予定表を作り確認していく
・アラーム機能を利用し確認してく
・忘れてしまったことを咎めない
・本人の発言を否定し過ぎない

・いつも使うもの、大事な物の場所を固定しておく
・ボイスレコーダーなどの録音機器の利用
・決まった日課で生活を行う

など

リハビリテーションで障害の程度を軽減させる方法もありますが、どうしても個人差が大きい面が見られます。そのため、個々の症状に合わせて対応を考えることが一番重要になってくるかと思います。

特に、本人自身も周りとの違和感になんとなく気づいたりすることで、不安を強く感じることが多々あります。本人の発言を否定しすぎる・訂正しすぎることで不安をより煽ってしまうこともあるのです。

本人が障害をきちんと認識することも重要ですが、周囲の協力を得られるような環境づくりが必要です。出来るだけお互いがストレスを感じにくい状況に持っていくことが大事になってきます。

いかがでしたか?

記憶とはその人が生きてきた手がかりともいえる存在です。いままでの経験・人間関係がわからなくなること。これから新しいことを記憶に留めておくことが難しくなると知ったときに襲われる不安感は本人・周囲の人々共に計り知れないかと思われます。だからこそ、少しでも安心できる環境につなげて行くことが大事なのですね。

また、支える側の方々の悩みを相談する団体やサイトなども多数存在しますので、どうしたら良いか困った場合は近くの病院やインターネットなども上手く活用してみて下さいね。

【引用・参考文献】
総合病院美保野病院
介護のチカラ
認知症ねっと
藤元メディカルシステム

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