30人に1人?AD/HDってなに?

 

あなたは、AD/HDという言葉をご存知でしょうか?

『子供は風の子』という言葉があるように、元気いっぱいな子供は見ていて微笑ましいものです。

しかし、年齢に釣り合わない不注意さ、落ち着きがないなどの行動が強く現れてしまうことで、学校生活や日常生活で苦しんでいる場合、AD/HDの可能性があります。

仮に特徴があったとしても、本人や周囲の人が困らず、問題としていないのであれば障害として捉える必要はありません。

逆に困っている場合であれば、どのように対応すれば良いのかを一緒に考えてみませんか?

#1 小児期「ADHDの正しい理解のために」

 

AD/HDって?

「Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder」の頭文字をとった略称です。日本では「注意欠陥・多動性障害」ともよばれています。そのままの訳ですね。

発達障害の1つであるAD/HDは先天性であり、基本的に一生涯特徴が認められるものです。

主な特徴は、「不注意(物事に集中することができず、忘れ物が多い)」「多動性(落ち着きがなく、じっとしていることができない)」「衝動性(思いついた行動を唐突に行う、順番を待てない)」の3つが挙げられます。

これらが学校や家庭などで少なくとも2つ以上の状況から見られます。

 特徴や程度には個人差があり、一緒に居る相手や場所などの状況によっても変化するため、自宅と学校で様子が違うことも珍しくありません。

特徴の現れ方によって、「不注意優勢型」、 「混合型(不注意、 多動性、衝動性の3つがみられる)」、 「多動性・衝動性優勢型」の三種類と、重症度として「軽度」「中等度」「重度」に分けられます。

放置することで別の症状が?!



 先程のような症状や問題を放置したままにすると、さらに別の問題を引き起こす要因に繋がる恐れがあります。

例えば、学習面の遅れや社会的なスキルを習得できなくなる…など。これらの問題は、AD/HDの中心症状のために引き起こされる『二次性の障害』ととらえることができます。

二次性の障害の例

・怒りやすく、反抗的態度や攻撃的行動を起こす
・学習に遅れがみられる
・社会的なスキルを身につけるのが苦手で、周囲とトラブルになる
・常に劣等感を感じているため、自尊心や自己評価が低くなる
・情緒面でかなり不安定になるなど…

AD/HDの原因は?



現在の医学では、脳内の情報伝達物質作用のあるドパミンが不足することで起るといわれています。これは、脳の発達に偏りが生まれることが原因として挙げられています。

ドパミンの働きが十分に発揮されないことと、環境の要因などが重なることで、AD/HDの特徴があらわれると考えられています。

つまり、性格・気質によるものや保護者の育て方やしつけが原因ではないことを理解していただきたいのです。

また、AD/HDのお子さんは、学齢期の3~7%といわれています。これは、『30人のクラスに1~2人いる割合』であり、決して珍しくはありません。

さらに、海外では大人のAD/HDは人口の2.5〜4.4%と報告されており、日本国内での調査でも稀ではないといわれています。

AD/HDはどのように診断されるの?



AD/HDの診断ができるのは医師だけです。

しかし、現状では発達障害を診察する事のできる医療機関はまだまだ少ないため、発達障害に詳しい医療機関の情報を集めた上で通院先を調べることをお勧めします。

概ね診断を受ける場合、精神科で診断してもらうことが多く、少ないながら大人の発達障害も診療している小児科もあります。

AD/HDの場合、身体の病気と違い「検査所見」があるわけではないので、正確な診断がとても難しいのです。そのため、問診、医学的検査、身体学的検査、知能検査などによって総合的に診断されます。

診察室での短時間の問診だけで確定できるものではないので、何回か診察や検査を重ねなければ診断がつけられないこともあります。

他にも参考資料として、日頃の行動や様子を記録して持参すると大きな判断材料となるでしょう。

治療法はあるの?



主に「心理社会的アプローチ」と「薬物治療」を中心に行われています。

★心理社会的アプローチ(行動療法・心理療法など)

医師やカンセラーの指導のもと、ADHDの方自身が環境を整えたり、生活環境や人間関係を改善する工夫を意識して対応の仕方について訓練を重ねたりしていくことで、対人関係能力や社会性を身につけます。

ソーシャルスキル・トレーニング(SST)

★薬物療法

薬剤の力を利用することで、AD/HDの症状を抑えて行動のコントロールをしやすくする治療です。

AD/HDの人にとって過ごしやすい環境は?



例えば…

部屋の中を整理整頓し、意識が逸れにくくする

ルールを図や絵にしてわかりやすくする

「あれ」「これ」「それ」といった言葉ではなく、わかりやすく具体的に指示を出す  
  
短い指示を出す

優れた点を見出して、本人の自己効力感を養う

興奮状態に陥った時は、冷静に対応する


反論、抵抗、挑発は無視し、感情的に叱らない

※特にAD/HDのお子さんに対しては一貫した対応をとることが大切です。家庭では、褒められた行動が学校では評価されないことに混乱してしまう場合もありますので、学校ともしっかりと情報共有を行う必要があるのです。

AD/HDの人が得意な仕事って?



 AD/HDの特徴があると日常や仕事で不都合なことありますが、逆にその特徴をうまく活かして活躍している人もいます。

「脳が多動」な部分を上手く活かせば、独自の視点や発想を持つことができ、「衝動性」も適切な方向性で発揮すれば、素早い行動と試行錯誤することでよりよい成果に結びついたり、周囲からの高評価をうけたりする可能性もあります。

また好きな分野、得意分野では集中力を保ちやすくミスも少なくなるのがADHDの強みです。つまり自分の興味と一致する分野では弱みも見えづらく強みを活かしやすくなります。


いかがでしたか?AD/HDには症状の改善が期待できる支援・治療法があります。早期の治療を受けることで、お子さんの成長に大きく役立てることができるはずです。

一方、AD/HDの治療には、ご家族、医師、学校関係者、福祉関係者など周囲の理解と支援、連携が不可欠です。

お子さんと家族が日常生活の困った点を少しでも軽くするには、相談できる様々な機関と積極的に活用していくことが大切です。自分の育て方が悪いのだと悩まずに、先ずは近くの病院や窓口に相談してみてはどうでしょうか?

【引用・参考文献】
親と子供のためのADHDnavi
大人のためのADHDnavi
Kaien

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