乾癬(かんせん)ってな~に?

 

皆さんは乾癬(かんせん)をご存知でしょうか?

欧米では比較的多く、皮膚病=乾癬を指すほど一般的な存在です。

日本ではそれほど頻度の高い皮膚病ではありませんでしたが、実は、生活習慣の変化とともに症例が増加傾向にあります。

【カンセン】という名前の響きから誤解を生みがちですが、他者に病気を移してしまうことはありません。

しかし、そんな誤解により苦しんでいる人がいるのです。

今回はそんな乾癬についてご紹介します。

乾癬とは【乾癬(かんせん)とはどのような皮膚病なのか?その基本を確認しましょう】



乾癬ってなに?



慢性炎症性疾患の一つで、ウイルス・カビなどとは関係なく、他者に感染させることもありません。

また、現在では原因もはっきりしておらず、経過の長い病気の一つとされています。

約2:1の割合で男性に多く存在します。

現在考えられている原因に、遺伝的要素のほか色々な外的因子・内的因子が加わり影響していると考えられています。

最近の研究では表皮の異常だけでなく、免疫系にも異常が生じていることがわかりつつあります。

症状は?



全身の各所に皮膚が赤く盛りあがり、表面にかさぶたのような物ができ、剥がれ落ちていきます。

症状が良くなる時期と悪くなる時期を繰り返しながら経過していきます。

症状が進行することで皮膚症状が現れている部分の数が増え、大きくなることがあります。痒みの程度は個人差が見られるため、全く痒くない人もいれば、強い痒みを伴う人もいます。

紅班(こうはん):皮膚が炎症を起こし赤くなる状態

浸潤(しんじゅん)肥厚(ひこう):皮膚が盛り上がる状態

鱗屑(りんせつ):角質細胞が皮膚にはがれかかった状態で付着している状態


落屑(らくせつ):乾燥した皮膚がボロボロと落ちる状態

どんな場所に起こりやすい?



全身のどこにでも出現しますが、特に現れやすい部分は頭部・膝・肘・腰まわりなど、擦れやすい部分が多いです。

どんな種類があるの?



★尋常性乾癬

尋常性は“最も普通の”という意味を指し、乾癬患者の約9割がこちらになります。にきびのような赤いぶつぶつから、徐々に周囲に拡大していくタイプです。

★関節症性乾癬(乾癬性関節炎)

皮膚症状だけでなく、関節変形や痛みが現れます。関節リウマチに似ていますが、血液検査でリウマチ反応がみられない場合がほとんどです。

★膿疱性乾癬

カサカサした部分だけでなく、ジクジクした部分が生じ、その中に膿をもつ小さな発疹ができます。他にも高熱などの症状がみられ、多くの場合、入院治療が必要となります。

★乾癬性紅皮症

皮膚症状が広がった状態で、全身の90%以上が赤くなります。皮膚機能低下により、体温調節ができなくなり、入院が必要となることもあります。

★急性滴状乾癬

風邪や扁桃炎などに引き続いて、全身に水滴くらいに小さい落屑を伴う紅斑が急速にあらわれます。

※他にも、正常な皮膚に物理的刺激が加わることで新たな皮疹が出現する状態(ケブネル現象)、鱗屑を無理に剥がすことで点状の出血する状態(アウスピッツ現象)といった特徴的な症状も見られることがあります。

乾癬って皮膚がどういう状態になっているの?



現在考えられている理論では以下のとおりです。

そもそも、皮膚は温度や乾燥・細菌やウイルスの侵入を防ぐ重要な免疫機能を担っています。

これらの機能を果たすために、皮膚では常に新しい細胞が作られています。

その肌の生まれ変わりをターンオーバーと呼んでいるのですが、通常約28~40日で繰り返されます。

しかし、乾癬患者の皮膚は表皮細胞の異常な増殖によりターンオーバーの周期が4~5日と非常に短く、異常に増殖している状態となっているのです。

乾癬では生活の質にも影響がでる?



乾癬では皮膚症状以外に、関節変形といった日常生活に影響が起こります。

しかし、何よりも名前の響きから「うつる病気」と誤解されてしまうことがあります。

他にも皮膚の状態から周囲の目が気になり身体機能面以外の苦しみを感じている人もいるのです。

乾癬患者の場合、他の高血圧や糖尿病・癌といった病気よりも、生活の質(QOL)の低下に影響があるとも考えられているのです。

治療の目標



先程にもありましたが、乾癬では身体的症状だけでなく、肌を見られることに対しストレスを感じるなど精神的な苦痛を感じている方も少なくありません。

症状や生活面に合った治療法を見つけることで、症状の改善と患者さんが日常生活を“自分らしく”送れるような治療目標を挙げることが重要です。

乾癬の治療法は?



外用療法・内服療法・光線療法などを、その人に合わせて行っていきます。

乾癬の治療で最も多くの患者さんに行われているのは外用療法です。

外用療法で効果が不十分な場合は、内服療法や光線療法に切り替えたり、これらのうちのいくつかを組み合わせたりして治療します。

経過の長い病気のため、根気強く付き合っていく必要があります。

【外用療法】

・ステロイドホルモン剤の外用

・ビタミンD3の外用剤など

【内服療法】

・ビタミンA酸の内服

・免疫抑制剤の内服など

※医師の診断のもと、適応とみなされた人だけ服用しますが殆どの人は内服治療は必要ありません。

生活上で注意することはなに?



【悪化につながりやすい傾向のもの】

・肉類・脂肪分の多い食事

・アルコール・煙草

・ストレス

・風邪などの感染症

・皮膚刺激

【行うことが推奨されているもの】

・日光浴
(但し急激な日光は悪化の恐れがあり)

・入浴

いかがでしたか?

以前は「治らない病気」とされていましたが、治療技術の進歩により乾癬の症状を抑えることができるようになってきました。

正しい治療を行うことで、長期にわたり皮疹が出ない・自然に消えていく患者様も少なくありません。

生き生きとした生活を送るためには、症状が悪化するのはどういう場合かをしっかりと見極め、上手に付き合っていくことが重要ですね。

もし、心当たりのある方は、1人で悩まず皮膚科で相談してみては如何でしょうか?

【引用・参考文献】
皮膚とアレルギーの情報サイト かゆみナビ
村上皮フ科クリニック
乾癬ケア
乾癬ネット

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